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コメントにお答えする(6/2007)

jojo さん、はじめまして。

「塔」 に注目していただきほんとうにありがとうございます。

さっそく、いただいたコメントにお答えします。

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> まずは英和辞典を読んでみようと・・・

これは、辞書をできるだけ有効に活用するための第1歩になると考えています。 また、読むだけでも啓発されること大であることは jojo さんも既に実感されていることでしょう。

> ・・・3つの辞書ですが、公表されている総語彙数は・・・それほど大きな差はないように思います。

NVAの と RHWIED は ― 語彙数や語彙選択に多少の違いはあるにせよ ― ほぼ同じ語彙レヴェルでしょう。 

ただし、この2つと LDOAC とは明らかに語彙レヴェルが違います。体験上、5000語を超える語彙数の差は英語の理解にかなりの差をもたらすからです。

> 明らかにNVAのほうがRHWIEDよりも多くの単語を掲載しているように思います。逆にRHWIEDに掲載されていてNVAに掲載されていない単語というのはそれほどないように思いました。

これもおっしゃるとおりです。しかし、その程度の単語数の多寡(たか)は英語の理解に有意味な差をもたらすほどのものではないと実感しています。 さらに、語彙の中に単語だけではなく連語・イディオム・スラングその他のチャンク表現も含めて考えるべきでいずれも同様に重要だと了解しています。みなさんが、ややもすると単語だけに注目しがちなのが気になります。

さて、これから本題です。

上記のことを ― つまりNVAとRHWIEDの語彙レヴェルがほぼ同じであり単語数に限ればNVAのほうがRHWIED にやや勝っているということを ― 念頭においてなお RHWIED の有効性を NVA より幾分高く評価した主な理由は2つあります:

1 NVA が英和辞典でありRHWIED が英英辞典であるために、NVA は日本語が主たる媒体であるのに対してRHWIED はすべて英語で記述されているので ― RHWIED を綿密に読み未知語彙は例文も含めて転記することを通じて ― 「英語を英語で理解する訓練」が否応なく行われることになり、したがって、辞書ではない普通の読み物を英語で読む際の優れた準備過程になる。

2 例文がNVA がよりRHWIED のほうが自然であるため、 RHWIED の例文自体が普通の読み物を英語ですらすら読む際の優れた触媒になる(このことはどの学習英英辞典についてもあてはまる)。

たとえば、NVA とRHWIED で master(名詞・形容詞・動詞の用法あり)の記述を便宜上名詞・形容詞の用法に限定して比較してみましょう。

○ NVA の場合(1部省略及び記述法の改変)
(男性の)主人( 女 mistress;反 servant 召使い)
The master of the house その家の詩人
Like master, like man.(ことわざ)主人が主人なら召使いも召使い
(動物などの)飼い主
the dog and his master 犬とその飼い主
[主に合成語で](船・駅などの)長
the stationmaster 駅長
大家(たいか)、名人;[形容詞的に] 名人の、見事な
a great master storyteller 物語の名人
a master touch 名人の一筆
修士(号)→ bachelor, doctor
(レコード・テープなどの)原盤;親盤
[形容詞的に](コピーなどの)もとになる
a master tape マスターテープ
《英》(ふつう私立学校の男性の)先生

○ RHWIED の場合
[count] 1. a person with the ability or power to control: She wanted to be the master of her fate. 2. an owner of a slave or animal: The dog followed its master everywhere. 3. a person very skilled or famous in a discipline, as an art or science: one of the great masters of modern art. 4. Chiefly Brit. a male teacher. 5. an original document, tape, disk, etc., from which copies are made. ― adj. [before a noun] 6. chief; principal: a master list; The house has a large master bedroom. 7. controlling others of its type: a master switch. 8. being a master from which copies can be made: a master tape. 9. very skilled a master designer

かくして、同じ master の記述であっても、定義文及び例文双方においてかなり質感の違いがあります。 この質感の違いが英語の理解度に反映されることは否めません。RHWIED の方が有利に作用すると思います。

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しかし、だからといって、英和辞典が英英辞典より劣っているというつもりはまったくありません。

英和辞典と英英辞典はそれぞれ独自の長所を備えているからです。

質感の違いは「いわゆる多読」などでも補うことが可能です。また、英英辞典は、たとえそれが学習用であっても、英和辞典ほど容易に使いこなせない向きもあるはずです。そんな場合、英和辞典は他に代えがたい武器になります。したがって、英和・英英のどちらが適切であるのか、あるいは併用すべきなのか、あるいは一方を補助に利用すべきなのか、あるいはその他にも方法があるのか、あくまでも各自の事情に応じて決めるべきことでしょう。

そして、『ジーニアス英和辞典 G4』 などは、ぜひ読みたいすばらしい英和辞典です。 日本人の盲点を細かに説明・記述している点で、学習英英辞典を凌ぐこと大です。

Thank you.

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Comments

k.y.様、こんにちは。

突然の質問に丁寧に答えていただきありがとうございます。2つの辞書の違いがよくわかりました。

このサイトを拝見して以来、自分は英和と英英のどちらを読もうかと書店でいろいろな辞書を見比べました。その際、辞書コーナーに『辞書からはじめる英語学習』という本が平積みされており、辞書選びの参考になるかとパラパラ目を通しました。
この本の中には「英和と英英は全くの別物であり、どちらも必要。」と書かれており、「interesting」という単語を例に挙げて説明してありました。著者曰く「interestingは英和辞典では『おもしろい』と訳されているが、これではfunnyやamusingとの違いがわからない。こういう場合は英英辞典の定義を見れば、その違いがよくわかる。」とのことですが、最近の英和辞典はよくできているので、こういった類義語のニュアンスの違いなどは囲み記事でちゃんと説明が書いてあるんですよね。

というわけで、この本で説明されていた英英の必要性には今ひとつピンときませんでしたが、k.y.様の明快な説明で非常にクリアになりました。

英英を読めば、語彙力と同時に(簡単な)英語で説明する力がつきそうなので、普段話すトレーニングをしていない身としては英英を選びたいところなのですが、やはり英和のわかりやすさに魅かれてしまいます。

この間も『英語語義語源辞典』という一風変わった辞書を買ってしまいました(高かったです)。語源の説明については、k.y.様がよくおっしゃっているように、単語の記憶に直接役立つ場合はたまにしかありませんが、この辞書は語義の説明のしかたに特徴があり、読んでいて面白いです。また、例文も豊富でその多くはCULD(Chambers Universal Learners' Dictionary)から引用されており、とても読み応えがあります。

ニューヴィクトリーアンカーと英語語義語源辞典のどちらを読もうかと思って2つの辞書をパラパラと読み比べていますが、3時間くらいはあっという間にたってしまいます。

長々と失礼しました。これからも『アンチ・バベルの塔』を参考にさせていただきます。

Posted by: jojo | August 09, 2007 at 01:57 PM

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