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アンチ・バベルの塔の基本思想(2)

前回に次のように書きました。

1 英語のネイティヴ・スピーカーは、あらゆる言語のネイティヴ・スピーカーと同様、無限の語彙を持っているわけではない

2 英語のネイティヴ・スピーカーの語彙数は、通常は、上級学習(英英)辞典の収録語彙数 (5万超) を超えることがない。 

また、http://www.eigozai.com/STUDYG/STUDYG_D/STUDYG.htm には ― "A conservative estimate is that the average high school graduate recognizes approximately 50,000 words in his reading but uses no more than 10,000 in his writing and probably less in speaking."(語彙数は控え目に見て、高校卒の場合で、readingに約50,000語、writingではわずか10,000語ていど、speakingはそれ以下の語彙が使用されていると思われる) ― という記述もあります。

この 「5万語の語彙 = 上級学習(英英)辞典の語彙を覚えたら十分である」 という認識は、普通の英語学習者が考えている以上に重要な意味を持っています。

なぜか?

英語学習の目標がはっきりと定まって意欲が湧くからです。

 「文法・構文及び音声をマスターした後は、5万語の語彙 = 上級学習(英英)辞典の語彙さえ覚えたらいいのだ」 という目標が明確になって、毎日 「塔」 を築いたら何年で5万語を覚えることができて、その後は30分ぐらいの復習 (テレビその他を削れば十二分に作り出せる時間) で生涯その語彙レヴェルを維持できる、という見通しが立つからです。

人は、何か遠大でしかし具体的ではっきりした目標を持つことができたとき、生活が一変することが多い。 今までいかに無駄な時間をすごしていたことか!と覚醒する人も少なくないでしょう。

そうなれば、楽しくもなる!

ここまで書いてきて思い出したのが、『 フューチャリスト宣言 ちくま新書 』 (130ページ) にあった梅田望夫さんの ― ・・・例えば 「ニート」 や 「引きこもり」 と呼ばれる人たちの中に、朝から晩までネットをやっていてすごいプログラムを書いている連中もいる。引きこもっているほうが生産性が高いんでしょう。一つのことを好きだということになってきたら、まわりが学校に行って授業を受けたりしている時間に、どんどんモノを作ってしまう・・・(省略・太字 k.y.)」 ― という発言。

別に引きこもる必要もありませんが、あるいは引きこもってもかまわないし、ひょっとしてあなたが引きこもりであっても別に不都合でもなくかえって好都合かもしれないし、また何もすることがなくてテレビばかり見てしまうだれかさんでもいいのですが、そんな人も含めて、他に計画がなかったら、英語をやったらどうですか?

よほど優れた先生がいない限り、英語は学校で教わる必要なんてまったくありません。 他の人に習うより自分でやったほうがはるかにはるかに充実した勉強ができます。 まず質問などするより、もちろんちゃんと答えられる人がいるなら質問してもかまわないのですが、自分で参考書や辞書やネットで調べたほうがよほど正確な答えが得られる。 今の時代著者などに直接メイルで問い合わせる事だって可能です。

まだ 「塔」 を始めるに至らない人なら、 有限で具体的な目標として、例えば 『総合英語 Forest 5th edition 桐原書店 』 をばっちり読みできたら例文も覚えることを目指す。

併行して何かの教材で音声の訓練もする。

その次には 例えば 『 和文英訳の修業 佐々木高政 文建書房 』 をばっちり理解して覚える。

態勢が整ったら 「塔」 の建築に取り掛かる。

あとは、あせらず、じっくり熟成させる

本を読み、映画を見、歌を聴き歌い、機会があればネイティヴ・スピーカーと話し込んだりうっかり喧嘩になったりしながら。


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Comments

【その次には 例えば 『 和文英訳の修行 』 をばっちり理解して覚える。】という箇所の、
『和文英訳の修行 』は、
『和文英訳の修業』(佐々木高政著、文建書房発行)のことかしら?

Posted by: miwako | August 21, 2007 at 10:36 AM

■あのう、ちょっとよろしいでしょうか?
私の指摘したかったのは,
書名の漢字が,
修「行」ではなく、
修「業」では、ということなのですが。

Posted by: miwako | August 22, 2007 at 02:05 PM

miwako さんへ。

たびたびお手数をかけて恐縮です。

重要な間違いにまったく気づいていませんでした。

ありがとうございました。

k.y.

Posted by: k.y. | August 22, 2007 at 02:17 PM

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