« コメントにお答えする(7/2007) | Main | アンチ・バベルの塔の基本思想(1) »

語彙強化法(多読?カード?)続

意識と無意識(=自然)

「いわゆる多読」 による語彙強化とはおもしろい 「物語」 を読むことを通じて自然と語彙が強化されることをいうがそんなことはあり得ない。

興味のない物語はさっさとやめる、辞書は使わない、日本語を介在させずに英語のまま理解する」ことを通じて子どもレヴェルを超えた語彙が自然に蓄積されることなどあり得ない。

ワクワクするような物語を英語で読みながら無意識の内に英語の有意味な語彙強化ができると考えるのはおおいなる勘違いでしょう。

なぜか?

おもしろければおもしろいほど、夢中になればなるほど、各語彙に格別の注意は向かないからです。

何語で読んでいるのかさえ意識しなくなる。 

読書の醍醐味が味わえるのはこんなときではあるが、それで語彙強化は不可能です。

語彙強化が目的ならもはや夢中にはなれない。 さめた目で文章を追わないと、語彙が脳に刻まれることはないからだ。

「塔=カード」 建設は ―  「未知語彙 を ( 必要十分な語彙を掲載する ) 学習辞典から選別転記して暗記し復習を続ける」 という ― 語彙獲得に特化した優れて意識的な営為であるからこそ大きな成果があがるわけです。

非常に強い意識がなければ大量の語彙など身につきません。 

物語ではなく(学習)辞書なら、各語彙について明確な定義があり適切な例文もあります。 例文も十分におもしろいがしかし物語ではないから、語彙から注意がそれることはない。 当然ながら語彙強化を十分に意識した学習ができる。 英英の学習辞書を使えるようになれば語彙を英英で理解し覚える可能性・度合も高くなります。

併行して「いわゆる多読」 でも何でもすればよい。 それこそできるだけ楽しめるものを選んで読めばいい。 「塔」 との相乗効果でそんな読書もさらに充実したものになる。 

そして、意識しなくとも、新規に獲得した語彙の復習を ― 効果・効率面で「塔」 での復習にははるかに及ばないが ― かねることもできる。

しかし、真に語彙を増やすには、覚えようと強く意識しての作業が欠かせない。 まったく意識せずにあるいはちょっと意識する程度では、「やさしいものをたくさん」 レヴェルを永久に脱することがない。 

語彙無知の壁が無意識の内に崩壊することなど絶対にない

医師で医療ジャーナリストの 豊家 孝(ふけ たかし) 氏は、『文芸春秋 2007年9月号』 で 「名医の条件」 という記事を書いて ― ・・・私の知るある消化器外科の名医は、今でも手術前に解剖学の本を必ず読む。消化器のことなら知らないことなどないような人と思われ、世間からはいとも簡単に難手術をこなしているように見られる。だがご本人にとっては、手術はこなせばこなすほど技術も上がるものの、逆に手術の恐ろしさを知ることにもつながる。そこで常に初心に帰るべく解剖学の本を開く。私はこういう己を知る、謙虚な達人ともいうべき人を尊敬する・・・(省略 k.y.)― と述べておられます。

人の命を預かる名医の営為と語彙強化の営為を比較することの失礼は重々承知の上で思うのは、「意識しないで己を知ることはない」 し、「己を知らずして向上することもない」 だろうということです。

|

« コメントにお答えする(7/2007) | Main | アンチ・バベルの塔の基本思想(1) »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/47849/16081898

Listed below are links to weblogs that reference 語彙強化法(多読?カード?)続:

« コメントにお答えする(7/2007) | Main | アンチ・バベルの塔の基本思想(1) »