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コメントにお答えする(16/2007)

はじめまして、小堀 さん。

メールありがとうございました。

> 海外にいるので、池谷先生の記事を読んではおりませんが、池谷先生の言うところのマグネット効果というのを実感しております。

私は周囲が英語の環境になると池谷先生とは逆のマグネット効果にさらされます。 英語の音声にひっぱられます。 なじみやすいのは ― あえて地域を指定すると ― 米国中西部の音声です。

> 正しい発音で言葉を話す事を諦めたわけではありません。

「正しい発音とは何か?」と言われると難しい問題になりますが、カタカナ英語が通じにくい・通じないことは事実です。 ネイティヴ・スピーカーの英語は、どんなに地域なまりがあっても、カタカナ英語ではありません。

> どのようにして英語の正確な発音を獲得したか・・・。

たまたま英語を最初に教わった公立中学校の英語の先生の発音指導が今から思えばすばらしいものでした。 f や th や r や l などの発音の仕方を口や舌の図解および実演でしっかり教えてくださいました。 いつのころからかは忘れましたが、その実技と発音記号を連動させて語彙を覚えるようになりました。 

また、だまって語彙や文章を覚えることは絶対にありません。 覚えるときは、いつも、無意識に、声を出しています。 うまくいかなければ何度でも繰返しています。

音声にはかなり敏感だったし今もそうです。 日本語でも同じです。 落語家の話しぶり、NHKのアナウンサーの比類なく美しい日本語、たおやかな関西弁、プロ歌手の見事な歌いぶり・・・。

英語は、自分の音読などの音声を録音してチェックしたり、ネイティヴ・スピーカーの音声と比較したりそういうことをよくやりました(昔ほどではありませんが今もそうです)。 自分の声を録音してチェックする人はひどく少ないと感じています。

日本語と同じく英語にも好きな音声となじめない音声があります。 私はたとえばJ.F.ケネディーの音声よりもヒルズ国務次官補の音声の方が好きですしなじみやすいです。 そして、私の英語はどうしてもなじみやすい音声の方に傾きます。 

さらに、ご存知のように、各語彙の発音だけではなくリズムも言葉の不可欠な要素です。 不可欠と言うよりそれがなければ通じないでしょう。 発音もリズムもあってはじめてスムーズに意思疎通できるわけです。

池谷先生の:

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Can I have...? (~をください) は「ケナヤブ」
Do you have...? (~はありますか?) は「ジュヤブ」
Do you want to...? (~したいですか?) は「ジュワナ」
I want you to... (~してください) は「アイワニュル」
Do you mind if I...? (~してもよいですか?) は「ジュマインデファイ」
Can you take our picture? (シャッターを押してください?) は「ケニュテイカワペクチョ」
What do you think about it? (どう思う?)は「悪酔いチンコ暴れ*注」で通じる!

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は発音とリズムを何とかカタカナで表現しようとした ― 無茶苦茶だとはいえ ― 苦心の工夫でしょう。

しかし、そんな難儀な工夫をするならたとえば:

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 I'd like to take a trip to Kyoto soon → I'd li(ke) ta take a tri(p) ta Kyoto soon. ()内の文字は発音されずそんな語の後の to は ta の発音になる。

I know how to fix it. → I know da fix it. how の w は発音されそんな語の後の to は da の発音になる。

 I think he studies hard. → he を強調する必要がないときは I think 'e studies hard. となる。

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というような自然な発声に、意識して、慣れていくほうがいいと思います。

ここで大事なことは、「ネイティヴ・スピーカーは、何かのルールを意識して上記のような省略発声をしているのではなく、その方が断然発声しやすいから自然にそうなっている」 という認識です。

そして、そんな自然な省略発声にも一定のパターンがあります。 慣れるにしたがってそんなパターンが身についてきます。 変なカタカナ英語を発明するより自然なパターンになれるほうがよほど生産的でしょう

私たちもどんどんしゃべって慣れてくれば 1 や 2 のような省略発声の方が楽になってきます。

他方、1 や 2 のような省略発声ができないなら I think he studies hard. と省略なしに発音とリズムにあまり狂いなく発声すればいいだけです。 妙な工夫の必要など一切しなくてもちゃんと通じます。 

しかし、リスニング・コンプリヘンションは自然な発声に慣れないと苦労します。

以上、釈迦に説法でしょうが、何かの参考になれば幸いです。

Thank you.


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