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「塔」工程 1 について

「塔」の建設は、単なるアイデアあるいは机上の空論ではなく、「塔」主が実際に成功した実証済みの語彙強化法です。

「アンチ・バベルの塔」 の工程は4段階

1 ターゲットの特定 (=学習辞書の選択)

2 未知語彙の選別・固定(=カード作成)

3 未知語彙の暗記(=本格的な暗記作業)

4 毎日30分の永久復習

注 4 の復習について:私たちは毎日大量の日本語に接している。そのことが即日本語の復習になっているので日本語の語彙を忘れることはない。ところが英語は日常語ではないため、意図的に復習して接する機会を作らないと忘れてしまう。だからこの復習を 「結局復習をしないとだめなのか!」 と否定的にとらえてはならない。あたりまえに必要な作業なのだ。仕事や読書で日常的に英語に接している日本人であっても 5000語~1万語~1.5万語 (復習なしに維持できる語彙数は人によって異なる) を超える語彙レヴェルは復習しないと維持できない。

さて、1 のターゲットを特定する ― つまり学習辞書を選択する ― 工程は 「塔語彙」の質・量 を決定する工程です。 

したがって、できるだけ高いレヴェルの学習辞書を選びたいと思うのが自然でしょう。 

しかし、そこに陥穽があります。 

いきなり 「上級学習英英辞書」 を選択しても、すぐ挫折する可能性が、たいていの人の場合、極めて高い。 語彙数が既に2~3万語(中級学習辞書の見出し語レヴェル) ぐらいに達している人でないと無理でしょう。 

また、英語のネイティヴ・スピーカーであっても庶民の語彙レヴェルは 「上級学習辞書」 の質・量には達してはいないと思われます。 これは、ネイティヴ・スピーカー用語彙クイズのランキング評価などを見ても分かることです。 

そこで、まず目標とすべきなのは英語のネイティヴ・スピーカーの庶民の語彙レヴェル ― 日常の言語生活(会話・仕事・読書)にほぼ支障のない語彙レヴェル ― です。 ちなみに、私の近未来の目標は、このレヴェルを活用語彙のレヴェルにすることです。

そして、その庶民の語彙レヴェルは、たとえば 『Longman Dictionary of American English』 のレヴェルです。 

普通の日本人がこのレヴェルの認識語彙を獲得するためには、私の経験上およそ5000時間(個人差が大!)必要ですから、所要時間からしても通常は上限に近いかもしれない到達目標でしょう。 旧司法試験に短期間(2~3年)で合格した人は毎日10~15時間ぐらいの勉強をしていましたが、それくらい勉強できれば1~2年で達成可能なレヴェルですが万人向きの処方箋ではない。 

かくして、ほぼ満足できる実用性と所要時間の両面から判断して 中級学習辞書たとえば『Longman Dictionary of American English』 のレヴェル こそ普通の英語学習者が ― 人によっては5年~10年~15年かけても ― 目指すべき語彙力だと言えます。 

中級英英学習辞典に抵抗を感じる人は 『ニューヴィクトリーアンカー英和辞典』 でOKです。 この辞書は活字も大きいし何と言っても日本語の説明が充分にあるから安心でしょう。 難点は英英と違って英和だから 「辞書利用即英語を読むこと」 にはならないことですが、それは洋書を多読することなどで補えばいい。 また、 『ニューヴィクトリーアンカー英和辞典』 をマスターすれば 『Longman Dictionary of American English』 などを復習プラスαに利用する手もあります。

そして、それでもまだ抵抗を感じる人は、つまり本格的な 1 の工程に取り掛かることが困難な人は、『アクセスアンカー英和辞典』 や 『ジュニアアンカー英和辞典』 などで入門期間を設けることも得策です。 成人だからといって 『アクセスアンカー英和辞典』 や 『ジュニア・アンカー英和辞典』 をバカにしないようくれぐれも注意しましょう。 丁寧に吟味すれば、決してバカにできるレヴェルではないことが分かります。 それどころかそんなレヴェルをマスターしている日本人は決して多くありません。 


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英語の発音(2)

前回に 「英語の発音」 というタイトルで記事を書いたらアクセスがかなりありました。

なぜか?

ひとことで言えば 「カタカナ英語」 からの脱出が案外難しいからなのかもしれません。

私は、ネイティヴ・スピーカー並の語彙習得に比較したら、通じる発音の習得ははるかに容易だと思います。 苦手な人は適切な訓練をしていない可能性が高い

http://www.uda30.com/cgi-bin1/katakana_test2.html に 「カタカナ汚染度 診断テスト」 というちょっとおもしい質問リストがあります。

私もやってみたら 「汚染度0パーセント」 でした。 「100%の場合は純粋カタカナ発音,0%はネイティブ発音を表します」 と書いてありますが、何せ簡易診断に過ぎませんから、かなりの誤差を含めて判断しないといけないでしょう。

さて、カタカナ英語から脱出するにはどうしたらいいのか? 2つあると思います。

1 最善の方法は 「自分でも英語の発音がちゃんとできて、その発音の仕方を客観的・具体的に説明できる日本人」 に発音の仕方を教えてもらうこと、それができない場合は、書籍(CD付き)やソフトを購入して独習すること

2 必ず自分の音声を録音してモデルと比較しチェックする、つまり自分の音声を客観的に評価して修正し続けること。 

2も必須です。 自分の声は録音して聞いてみないと分からないからです。 

構文・文法・語彙・リスニングコンプリヘンションについては必ず問題集を解いて理解度や暗記度をチェックするのに、発音訓練の場合は自分の声を録音してチェックする人が、なぜか知らないが、非常に少ない。 それを継続してやる人はさらに少ない。

話しながら聞いている自分の声と録音して聞く自分の声は違います。 自分の発音の良し悪しは録音した自分の声を聞いてみないと分かりにくいのです。 

そんな努力をたゆまず続けていると、徐々に、人によっては急速に、カタカナ汚染が浄化されていきます。

録音した自分の声を自分の声だと知らずに偶然聞いたりすることがあります。 すると、「んっ、 このネイティヴ・スピーカーはだれ?」 と一瞬思ったりします。 自分のカタカナ汚染度が格段に低下してきている証拠です。 

別にネイティヴの発音がいいとか悪いとか価値があるとかないとかそんなことは一切考える必要はありません。 ただ通じやすい発音を習得したいだけのことです。 発音が楽になればリスニングも楽になります。 リスニングが楽になれば発音がさらに楽になります。

そして、ほんとうに大切なのは話しの中身であっってネイティヴ並みの発音ではありません

だから、意思疎通が可能になればそれでよしとしましょう。 多少の日本人なまりがあっても、それが不快に響くことはないし、逆に魅力になることもあります。 

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コメントにお答えする(17/2007)

kozo さんへ。

はじめまして、「塔」主のk.y.です。

興味をそそられるコメント、楽しく読ませていただきました。 

過分にお褒めいただいて、うれしいやら恥ずかしいやら、恐縮の限りであります

kozo さんは、もともと英語に興味がおありだったようですが、化学を専攻されたということでちょっと触れてみたいことがあります。 

それは、科学的事実の英語の記述を読むことが英語の理解に大いに役立つということです。

たとえば 「A chemical reaction takes place whenever bonds between atoms are broken or made. In each case, atoms or groups of atoms rearrange, making new substances ( products ) from the original ones ( reactants ).(『Dorling Kindersley Ultimate Visual Dictionary』 より)」 という英文は 「原子間の結合が壊れたり生まれたりすると、必ず化学反応が起こる。どちらの場合も原子や原子団の配置が変わり、それによって反応する前の物質(反応系)から新しい物質(生成系)が生じる(『英和・ビジュアルディクショナリー分解博物館21』より)」 という日本語に翻訳されています。 英語の方が日本語より優れているとは断じて思いません。 しかし、科学的な事実を記述する場合は英文の方が格段に切れがある、明確であるという印象を受けます。 そして、英語の冠詞や単・複数や分子構文 ( making ) の機能、takes place や whenever のニュアンス、「反応系」や「生成系」という何やらもやもやとして理解しがたいものがずばり reactants と products となることなどについて ― 英語を学ぶ上で ― 参考になることがたくさんあります。 

だから、私は、英語の授業にも科学的な記述をもっと利用したらいいと思います。 

科学啓蒙書を読むことで英語の理解・研磨が加速されます。 単純な記述であってもたいへんおもしろくて飽きることがなく、しかも、英語が透けて見えるからです。 そんな英文をもうひとつ Albert Towle 著 『Modern Biology 』 から引用しておきます。

The Concept of Species

The word species is derived from a latin word meaning "kind"or "appearance." You are probably already familiar with this definition. For instance, you might realize that all gorillas are of the same species. You would base your belief on the fact that individuals in this group look like. We use the concept of species because we naturally tend to group together things that look alike.

さて、「塔」 関連で書いていただいたことに興味津々であります。

> 1つ目の報告ですが、「アンチ・バベル」の塔をもっと多くの方に知っていただきたいと思い、去る2007年10月7日に、ミクシィ http://mixi.jp/home.pl で「英単語50000語習得」というコミュニティを立ち上げました。開始して2ヶ月半ですが、すでに460人を超えるメンバーに参加していただいております。「アンチ・バベルの塔」方式で、辞書暗記を開始される方も出てこられました。

ありがとうございます! 私はまだミクシィの会員になれないでいるのですが、ほんとうにうれしいニュースです。 今年はアンチ・バベリスト志望の方がだいぶ増えてきて巨きな成果を実感されている方も出現中です。 楽しみです!

> ・・・私独自のボキャビル法として、ささやかですが、「耳から50000語」という個人プロジェクトを開始しました。これは2つの柱から成り、「音声ファイル化」と「ルーズリーフに貼り付けた辞書へのマーキング」です(以下を参照ください)。これまでに「茅ヶ崎方式の4000語」をマスターしたので、現在の手持ち語彙は9000語くらいですが、目下、英検1級レベル~GRE(米国大学院入試)レベル(15000~17000語レベル)をターゲットにしています。

A.音声ファイル化
「ロングマン現代英英辞典」のCD-ROMから、単語と例文の発音を録音し、これと合わせて「ロングマン英和辞典」から単語の日本語訳を自分の声で録音しています。これをiPodに入れて耳からひたすら聴き、シャドウイングしています。音声は脳への強い刺激となるのと、通勤時間を利用して圧倒的な復習回数をかせげるのがメリットです。ポイントは、録音時に、語義と例文を丁寧に音読して「仕込み」をしておくことだと感じてます。1つの単語でも複数の語彙があるのが普通ですが、1語彙1ファイルに分割しています。ファイル名を単語名にしておくことで、iPodの画面上でスペルを確認できます。例文の付いてない語彙は、語義(英文)そのものを録音したり、「英和活用大辞典」から持ってきた例文を録音しています。

B.ルーズリーフに貼り付けた辞書へのマーキング
「アンチ・バベルの塔」方式でのカード化を参考にしつつも、あえて辞書を解体し、A5のルーズリーフに貼り付けています(100ページで1冊としています)。未知語の例文に蛍光ペンでマークします。理由はいろいろあって、携帯性・分離性を良くするため、転記の負担を軽減するため、1枚の絵のようなアナログ的視覚情報を持たせるため、そして、将来的なロングマン完全征服への見通しをたてるため、などいろいろあります。

私 k.y. にとっても他のみなさんにとっても実に参考になるアイデアとその実行例を披瀝してくださったことに心から感謝しています。 

どんな形にせよ音声は絶対に無視してはならないし、ルーズリーフやノートの活用 その他の工夫もどんどんすべきだと考えています。 

みなさんのたゆまない工夫とその実行がいつの日か「暗記用学習辞書(書籍・ソフト)」の発売・普及に結実する日を夢見ています。

しかし、何よりも、今は、みなさんの精力的に着手したプロジェクトが、おそらく挫折・再開・試行錯誤を経ながらも、豊かな実を実らせることを祈っています

これからもよろしくお願いします。

Thank you.

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コメントにお答えする(16/2007)

はじめまして、小堀 さん。

メールありがとうございました。

> 海外にいるので、池谷先生の記事を読んではおりませんが、池谷先生の言うところのマグネット効果というのを実感しております。

私は周囲が英語の環境になると池谷先生とは逆のマグネット効果にさらされます。 英語の音声にひっぱられます。 なじみやすいのは ― あえて地域を指定すると ― 米国中西部の音声です。

> 正しい発音で言葉を話す事を諦めたわけではありません。

「正しい発音とは何か?」と言われると難しい問題になりますが、カタカナ英語が通じにくい・通じないことは事実です。 ネイティヴ・スピーカーの英語は、どんなに地域なまりがあっても、カタカナ英語ではありません。

> どのようにして英語の正確な発音を獲得したか・・・。

たまたま英語を最初に教わった公立中学校の英語の先生の発音指導が今から思えばすばらしいものでした。 f や th や r や l などの発音の仕方を口や舌の図解および実演でしっかり教えてくださいました。 いつのころからかは忘れましたが、その実技と発音記号を連動させて語彙を覚えるようになりました。 

また、だまって語彙や文章を覚えることは絶対にありません。 覚えるときは、いつも、無意識に、声を出しています。 うまくいかなければ何度でも繰返しています。

音声にはかなり敏感だったし今もそうです。 日本語でも同じです。 落語家の話しぶり、NHKのアナウンサーの比類なく美しい日本語、たおやかな関西弁、プロ歌手の見事な歌いぶり・・・。

英語は、自分の音読などの音声を録音してチェックしたり、ネイティヴ・スピーカーの音声と比較したりそういうことをよくやりました(昔ほどではありませんが今もそうです)。 自分の声を録音してチェックする人はひどく少ないと感じています。

日本語と同じく英語にも好きな音声となじめない音声があります。 私はたとえばJ.F.ケネディーの音声よりもヒルズ国務次官補の音声の方が好きですしなじみやすいです。 そして、私の英語はどうしてもなじみやすい音声の方に傾きます。 

さらに、ご存知のように、各語彙の発音だけではなくリズムも言葉の不可欠な要素です。 不可欠と言うよりそれがなければ通じないでしょう。 発音もリズムもあってはじめてスムーズに意思疎通できるわけです。

池谷先生の:

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Can I have...? (~をください) は「ケナヤブ」
Do you have...? (~はありますか?) は「ジュヤブ」
Do you want to...? (~したいですか?) は「ジュワナ」
I want you to... (~してください) は「アイワニュル」
Do you mind if I...? (~してもよいですか?) は「ジュマインデファイ」
Can you take our picture? (シャッターを押してください?) は「ケニュテイカワペクチョ」
What do you think about it? (どう思う?)は「悪酔いチンコ暴れ*注」で通じる!

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は発音とリズムを何とかカタカナで表現しようとした ― 無茶苦茶だとはいえ ― 苦心の工夫でしょう。

しかし、そんな難儀な工夫をするならたとえば:

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 I'd like to take a trip to Kyoto soon → I'd li(ke) ta take a tri(p) ta Kyoto soon. ()内の文字は発音されずそんな語の後の to は ta の発音になる。

I know how to fix it. → I know da fix it. how の w は発音されそんな語の後の to は da の発音になる。

 I think he studies hard. → he を強調する必要がないときは I think 'e studies hard. となる。

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というような自然な発声に、意識して、慣れていくほうがいいと思います。

ここで大事なことは、「ネイティヴ・スピーカーは、何かのルールを意識して上記のような省略発声をしているのではなく、その方が断然発声しやすいから自然にそうなっている」 という認識です。

そして、そんな自然な省略発声にも一定のパターンがあります。 慣れるにしたがってそんなパターンが身についてきます。 変なカタカナ英語を発明するより自然なパターンになれるほうがよほど生産的でしょう

私たちもどんどんしゃべって慣れてくれば 1 や 2 のような省略発声の方が楽になってきます。

他方、1 や 2 のような省略発声ができないなら I think he studies hard. と省略なしに発音とリズムにあまり狂いなく発声すればいいだけです。 妙な工夫の必要など一切しなくてもちゃんと通じます。 

しかし、リスニング・コンプリヘンションは自然な発声に慣れないと苦労します。

以上、釈迦に説法でしょうが、何かの参考になれば幸いです。

Thank you.


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英語の発音(1)

記憶(7) https://app.cocolog-nifty.com/t/app/weblog/post?__mode=edit_entry&id=4417002&blog_id=48616の記事の最後でも触れたことなのですが、脳科学者の池谷裕二さんは 「日本人には英語の発音はできない http://gaya.jp/eng/」 という持論を持っておられる。

昨日(2007年12月19日)の日経夕刊にも 「英語のカタカナ術」 というコラムを書いて 「・・・すべての音韻は母国語のいずれかの音に引き込まれる。マグネット効果である・・・私のように十代になってから英語を習い始めた人間には、正確な発音はほぼ絶望的。どうしてもカタカナ英語になってしまうのだ・・・」 と述べ、ならばそのカタカナ英語に工夫をしてたとえば can I have... は ケナヤブ (通じるかもしれないがとんでもない音声です!) と発音することを薦めておられる。 

脳科学の俊秀にそんなことを言われたら、英語の音声が苦手な人ほど、 「そうかやっぱり日本人には無理なんだ。カタカナ英語でいいのだ」 と納得してしまうかもしれません。 

しかし、いかに池谷さんの説といえど 「日本人には英語の発音は不可能」 論にはまったく賛成できません。 日本人にも英語の発音は充分に可能です。 

私だって十代から英語を習いましたが発音で苦労したり通じなかったりしたことはまったくありません。「Where in the United States are you from ?」 とアメリカ人に聞かれたりすることもあります。 日本人で特に若い女性の場合実にきれいな発音をする人も珍しくありません。 

日本語の発声を見事にこなす英語のネイティヴ・スピーカーも複数知っています。 彼らも10代後半ないしは20台になってから日本語を習い始めた人たちです。

日本人が英語の発音に弱いとしたら、その原因は中学や高校の英語の先生のほとんどが発音を苦手にしていてましてや生徒に教えることなどできないからです。 日本を代表するような私立の進学校の英語の先生が decide を平気で ディッシャイド と教えたりしています。 生徒が忠実にその発音を引き継いでいて、いくら訂正されても ディッシャイド と発音する癖がなかなか抜けません。 

最初にちゃんと習うことができたら何の問題もない。 しかし、教えることができる先生がほんとうに少ない。 文法と同じで、発音も発音の仕方など意識もしないネイティヴ・スピーカーに習うより発音の仕方を説明できる日本人に習ったほうがよくわかる。私も英語の発音はしっかり教えることができるが日本語の発音は教える自信がない。 

発音を教えられる先生が希少。 かくして、何世代にもわたって妙なカタカナ英語がしっかり継承され、生徒が受けるテストの英語の発音問題は何十年も同じ問題が出題されている。 英語の先生はその解答をするときだけ何とか発音して見せるが普段の授業では元の木阿弥に戻っている。 

最近は発音記号も教えない! 

日本の英語教育は決して悪くないのですが音声指導だけは大問題ですね。

その音声指導の欠如が 「そんな私の前に立ちはだかったのは、他ではない、語学の壁だった。研究室に到着したのはよいものの、相手の言っていることがまったく理解できないのだ。それどころか、自分の話している英語も相手に通じないのに驚いた。正しい文法で文章を組み立て、場面に応じた適切な英単語を使っているにもかかわらず、アメリカ人には聞き取ってもらえないのだ。これは受験英語しか勉強してこなかった私には大きなショックであった(池谷さんの上記サイトより引用 太字 k.y.)」 というような嘆きを生むことになる。

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コメントにお答えする(15/2007)

tisnottoolate さんへ。

コメントありがとうございました。

既に 『ワードパワー英英和辞典』 を購入されていた由、辞書暗記事始にぴったりの学習辞書のひとつであることはまちがいありません。 文字も大きいし全体のレイアウトもゆったりしていて圧迫感を感じることなく作業をすすめることができます。 正統的な学習英英辞典であることも大きな魅力です。 

「アンチ・バベルの塔」の背景に 「人の語彙は有限である」 という考え方があります。 ごく大雑把にいうと普通の人の語彙数はだいたい5万語前後だと思って大過はないはずです。

それだけの語彙があれば普通の雑誌や本などを読むのに苦労することはありません。 そんな雑誌や本は普通の人の語彙レヴェルで書かれてあるからです。

だからといって、未知語彙がゼロになることは絶対にありません。 しかし、普通の人の語彙レヴェルに達している限り、時に未知語彙に遭遇しても、読んでいる内容が分からなくなることはありません。 どうしても必要な場合は日本語であれば 「広辞苑」 英語であれば 「The American Heritage Dictionary of The English Language」などの辞・事典その他を利用すればいいだけです。

そして、外国語である英語の場合、その普通の語彙力を獲得する最適 の方法 (のひとつ) が 「アンチ・バベルの塔」 だと確信しているわけです。

「英語学習事典」 を成人(=普通の語彙レヴェルに既に達している人)用の英英辞典たとえば 「The American Heritage Dictionary of The English Language」 と混同して 「辞書を覚えるなんてとんでもない!」 という拒絶反応を起こす人がほとんどであるのが残念でなりません

成人用の辞書は必要なときに利用するもので暗記の対象にすることなどサバンの人でもない限り不可能だしそれこそ時間の浪費です。

他方、「学習事典」 はまったく違います。 普通に必要な語彙だけをつまりぜひ覚えなければならない語彙だけを掲載した辞書なのです。 「学習事典」 をマスターすることが普通の語彙レヴェルに到達する最短の道なのです。

この最短の道であることをなかなか分かってもらえないのがもうひとつの残念な点です。 

数年~10年~20年かかってもそれは最短の道だという事実に覚醒していただきたい! 英語のネイティヴ・スピーカーでさえ普通の語彙レヴェルに達するのに20年以上要するわけです。 日本人が数ヶ月や1年程度でどうにかなるものではありません。 必要充分な語彙獲得に要する時間の認識を転換することが肝要なのです。 

このブログで何度も述べてきたことですが、学習事典は ― コーパスという現時点で望みうる最強の 「必要語彙精選ツール」 に依拠し、経験・識見豊かな外国語教育のプロフェッショナルたちが編纂した ― あらゆる点から見てダントツに優れた 「語彙集」 です。 

市販の語彙集ではとても普通の語彙レヴェルに達することは不可能です。 それならということで、 「学習辞典」 より優れた 「普通の英語・語彙集」 を雑誌やペーパーバックから語彙を拾いながら自分で作成できますか? 

今まではそんなことを試みる人もいました。 今では明らかにそれは徒労だと分かります。 

そんな暇があるなら 「学習辞書」 を覚えた方がはるかに速く正確な知識を獲得できます。 自分で作成していたら不正確になること甚だしいし一生かかっても終わりません

またまた、我田引水の演説をぶってしまいましたが、悪しからずお許しください。

これからもよろしくお願いします。

Thank you.

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達人の語彙強化法 (2)

前回に 「達人の語彙強化」 の5つのポイントを 竹内理著 『「達人」の英語学習法』 から引用して書いておきました。

しかし、アンチ・バベリストから見ると、決定的に重要なひとつのポイントが欠けています。

それは、「目標語彙の質・量的設定」 です。

これがない限り、語彙強化は ― 果てしがなくいつまでたっても終わりの見えない ― 無限宇宙の放浪になってしまいます。

どの語彙をどれだけの質を維持して覚えたらいいのか分からないままに語彙強化に乗り出すことは、目的地なしに旅に出るようなものです。

それでも、資格試験にパスしたりTOEICで高得点~満点を取ることは不可能ではないでしょう。 

また、「しょせん外国語なのだからそれでいい。ある程度の役には立つし取り立てて不満を感じることもない」と言う方もいて、それはそれでひとつの見識で、他の人がとやかく言うことでは決してない。

しかし、やっぱり不満を感じる人も多いはずです。

私などはその典型でした。「いつまでたっても日本語を読むように英語を読めないのはいやだ」と言う気持ちは常にあり、「アンチ・バベリスト」になることがブレイク・スルーになりました。

そこで、「達人の語彙強化」の5つのポイントを以下のように6つのポイントに書き換えたいと思います:

1 アンチ・バベリスト用「英語学習辞書」の選択=「目標語彙の質・量的設定」 

2 文脈化

3 音声化

4 身体化

5 ネットワーク化

6 リスト化

そして、2~5はすべてアンチ・バベリストの方法に包含されます。

追記:またすばらしい英語講座が誕生しましたね(まったく無料で安全!) → iKnow! ( http://www.iknow.co.jp/landing/cam2?utm_source=yahoo&utm_medium=panel&utm_content=toeic2&utm_campaign=yahoo0712# )
もうひとつ、このブログ ( http://getupenglish.blog.ocn.ne.jp/getupenglish/ ) GetUpEnglish も非常に有益ですね。

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達人の語彙強化法 (1)

関西大学教授・竹内理著 『「達人」の英語学習法』 が最近出版されました。

そして、『「達人」の英語学習法』 は 「達人」 を定義して 「日本で生まれ・育ち・学び、特殊な環境に身を置いたことがないにもかかわらず、自らの努力で相当に高い外国語運用能力を身につけた人たちのこと」 だとしています。

あるいは、 「英語ネイティヴ話者という究極の到達点を壊してしまい、たとえ英語ノンネイティヴであることが相手にわかってもよい。ただし、英語を使っての課題達成に関しては支障がない」 人物だと述べています。

「達人」の英語学習法』は、 「達人」 18人にインタビューしたり(18人) 「達人」 たちが著した学習記録(69冊)を分析して得たデータを根拠にして 「英語学習法」 を記述した本です。

ちなみに、私は、受容語彙に関する限り ― 「塔」 建設によって ― 普通のネイティヴ・スピーカーの語彙レヴェルに到達することは決して不可能ではないと確信しています。

そこで、『「達人」の英語学習法』 が記述する「達人」の語彙強化法をみてみましょう。

5つのキーワードが書かれています:

1 文脈化

2 音声化

3 身体化

4 ネットワーク化

5 リスト化

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「(英語)中級学習辞典」 と 「(日本語)中学生用国語辞典」

大野和基氏のコラム http://www.globe-walkers.com/ohno/school/column022.htm に 「第22回 大野流英語論②」 という記事がある。

その記事の中に 「・・・純文学からみれば、タイム誌がいかに簡単に読めるかは、アメリカの教養のないおばさんをみればわかる。純文学こそ読まないが、タイム誌は、何の苦労もなく、寝ながら読むものであるからだ」 という件(くだり)がある。

ここでいう 「おばさん」 の語彙レヴェルが 中級学習辞典たとえば 「 Longman Dictionary of American English 」 の語彙レヴェルでしょう。

だから 『Longman Dictionary of American English 』 の語彙をすべてマスターしたら、庶民 (=普通の人) の語彙レヴェル (=普通の語彙レヴェル) に到達できるし、難解ではない普通の実用英語で書いてあるTIME誌なども辞書なしで読めるようになる。 

ところがそんなTIME誌などを高級誌だと勘違いしたりそこで使われている語彙をたいへん難解なものであるように信じ込んでいる人たちがまだまだ少なくありません。 

他方、「おばさん」がTIME誌で使われる語彙を100%承知しているかと言えば決してそんなことはありません。 TIME誌を読んでいる英語のネイティヴ・スピーカーの「おばさん」に 「知らない語彙はないか?」 と聞けばたいていの人は 「ときどき知らない語彙がある」 と答えます。

しかし、「おばさん」は辞書などめったにひかない。 日本人が日本語の週刊誌を読むのに辞書を使うことがまずないのと同じです。

『Longman Dictionary of American English 』レヴェルの語彙があれば、時に知らない語彙があっても、いちいち辞書を引く必要はないわけです。

『Longman Dictionary of American English 』 に匹敵する日本語の辞書は中学生用の国語辞書(『三省堂 例解新国語辞典.』など)でしょう。私たちが中学生用の国語辞書をみて分からない語彙はまずない。そしてその程度の語彙力があれば「おばさん」のようにTIME誌などを読むことができる。

そんなことを頭において 『Longman Dictionary of American English 』 などをもう一度見てみたらいいと思います。1000ページしかありませんよ。 決して征服できない辞書ではない。 5~10年かければ ― それだけの根気があればですが ― たくさんの人が「おばさん」の語彙力を獲得できます。 

毎日こつこつと10年1日(じゅうねんいちじつ)のごとく、タンタンと、続ける。 これこそ秘訣です。

英語でも「おばさん」レヴェルの語彙を持つことができたら、人生楽しいですぞ! そうすればさらなる語彙強化も視野に入ってきます。 

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コメントにお答えする(14/2007)

JT さんへ。

たいへんユニークなコメントをありがとうございました。 いつも関心を寄せていただきうれしい限りです。

最近ブログを更新する頻度が下がった理由はお察しの通りです。 また、語彙強化に関する私の考え方もほぼ書きつくしたという思いもあります。 今年後半はもろもろの身辺雑事に追われていたこともあります。 しかし、「塔」 は私の分身でもありますから、やがてまた活性化させるつもりです。 

> ・・・日常使う仕事言語として英語とフランス語、生活言語としてアラビア語 (場合によってはペルシャ語)、そして自国語の日本語と、常に4~5ヶ国語に接した毎日を送っていることです。

JTさんの高度な多言語生活は、英語だけに拘泥してこのざまである私には、とうてい手の届かない別世界に思えます。 若いころはポリグロットたらんと思ったこともありましたが単なるあこがれに終わりました。 JTさんはすごいです! 

> 仮に5万~10万語の「塔」が完成したとして、淀みなく、辞書の頼りにもならずにその言葉で言語生活が送れるのでしょうか?例えば、自分の場合の日本語での言語生活を顧みるに、晦渋な文章を精読しなければならない場合、昭和初期以前の小説を読む場合、古典文学を参照した現代エッセイを読む場合など、今でも日本語の電子辞書を手許に置いてじっくり読んでいます。即ち、日本語ですら場合によって辞書は手放せないのに、レアリアに欠け政治、宗教、大衆文化、マスメディアといった特定言語で営まれる社会現象に疎い外国語の語彙を5万~10万暗記したところで、やはり辞書・事典が手放せない事実には変わりはありません。それならば、5万~10万語を暗記する莫大な努力は放棄して、1万~2万語の習得語彙と、残りは辞書の助けでもって善しとしようという考え方もある訳で、そのほうが忙しい現代人には現実的に思えてなりません。この点において、「塔」の完成は語彙の壁の克服と、ネイティブレベルの言語生活の実現を必ずしも意味しません。

JT さんに異論を唱える人はいないと思います。 まったくおっしゃるとおりです。 

ただ、このブログで何度も述べてきましたように、「塔」建築の目的は、英語でも ― できるだけ日本語の場合と同様に ― 「ごく普通に」 読書などを楽しめるようにすることです。 

そして 「ごく普通に」  ということは 「辞書・事典が手放せない事実には変わりはありません」 ということと何ら矛盾することではありません。 私も日本語を読み書きするときに辞書・事典を手放せないことは言うまでもありません。 それが 「ごく普通」 のことだと思います。 日本語の辞書・事典を読むことはときには悦楽でさえあります。

「塔」 建設の目的は、英語の語彙水準を その 「ごく普通の状態」 にするための営為です。 「学習事典 (ネイティヴ・スピーカーにとっては未成年のレヴェル)」 ではなく、ネイティヴ・スピーカーの成人用の辞書・事典 (日本語の場合であればたとえば 「広辞苑」 その他の辞書・事典 )を 「普通に」 利用できる水準に英語の語彙レヴェルを高めるための営為でもあります。 

日本語で5万語前後の水準は成人では 「ごく普通」 のレヴェルであり、それを前提としてはじめて、現代の新聞や小説を ― くつろいであるいは娯楽でまたは急いで ― 読むときにいちいち辞書を引かなくても読める状態になります。 そして、そのことと成人用の辞書・事典が手放せないこととはまったく別のことです。 

そのことに関しても何度かこのブログに書きました。 たとえば次のような記述です。

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― あなたは覚えなければならない語彙数(=日常必要な語彙数「学習英英辞典」の収録語彙数)を認識していますか? また、それは記憶可能な数だということを知っていますか? ―

「アンチ・バベルの塔」の話しをしていてなかなか理解してもらえないことがいくつかあります。

そのうちのひとつが「アンチ・バベルの塔」が最も効率のよい語彙強化法だということです。

ほとんどの人はこの方法を最も効率のよい語彙強化法だとは考えないのです。

ほとんどの人が「辞書暗記」など途方もないことだと勘違いしているのです。

その原因は、前にも述べましたが、 ① ネイティヴ用の辞書(日本語であれば『広辞苑』、英語であれば『The American Heritage Dictionary of the English Language』のような辞書)と ② 非ネイティヴ用の学習辞書を同一視しているからです。

①は、日常使われる5万語超の語彙をはるかに上回る語彙を収録していて、とてもじゃないが普通の人が暗記できるものではありません。また、暗記する必要もありません。

しかし、②は日常使われる5万語超の語彙しか収録されていないのです。普通の人でもその気になれば充分暗記できる・すべき範囲の語彙しか収録されていない。

この①と②の本質的な違いがなかなか理解されない!

私たちは、日常の生活に関する限り各人あるいは各世代の間のコミュニケーションにひどく困ることはありませんし、新聞・雑誌・本などの活字媒体を読むのに困ることもありません。

なぜか?

みんなが普通に話しをしたりものを読んだりするのに必要な範囲の語彙を共有しているからです。

②は、英語で普通に話しをしたりものを読んだりするのに必要な範囲の英語の語彙だけを収録し、非ネイティヴ・スピーカーの学習上の盲点を知悉したエキスパートたちが編纂した非ネイティヴ・スピーカー用に特化した(ネイティヴ・スピーカーが利用する場合もありますが)辞書なのです。

だからこそ、②(現代英語に必須の語彙集)の中から各人の未知語彙だけを選択して覚える「アンチ・バベルの塔」が最も効率の高い語彙強化法になるわけです。

②の省略ヴァージョンにすぎない(だから質・量ともに極めて不十分な内容の)市販の単語帳をはしごしたり、とにかく多読して語彙を増やそうと暗中模索したりするのに比較したらはるかに高効率の語彙強化法なのです。

ただ、②の中にある各人の未知語彙の数があまりにも多いために、ほとんどの人が「アンチ・バベルの塔」を非効率な方法だと誤解してしまう。

絶対的に必要となる学習時間の多さにたじろいで効率が悪いと勘違いしてしまう。そして、従来の方法でやっていたら生涯を費やしても絶対に達成できないことを2年~10年で達成できる効率の良さに気付いていない。

さらに、従来の方法は、どの語彙が(客観的に見て)必須の語彙なのか判断することができないので、そもそも語彙強化の基盤を欠いていることにも気付いていない。

残念です! 

未知語彙が多いことと語彙強化法の効率とは何の関係もありません。未知語彙をすばやく発見できるか否かこそ語彙強化の効率を決定付ける最大の要素です。

また、②を読んで(学習辞書に不要な語彙は客観的には皆無ですが)「こんな語彙は不要だろう」と思う人があればその人はその不要だと思う語彙を無視すればよい。その場合でも、客観的に見て不要なのか必要なのか分からない語彙群から取捨選択するよりはるかに効率がよい!

くれぐれも自分の未知語彙の多さに圧倒されて語彙強化の効率を誤解しないようにしてください。

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> それに、ネイティブレベルの語彙力を得る莫大な努力と、それを維持する為の莫大な時間 (覚えた後の残り人生全て) を考えると、個人の好みと判断で辞書の丸暗記を実践するには何ら構いませんが、人に勧めるには余りにも過酷な修行である ( しかも失敗する確度が極めて高いことについては塔主殿も異論がないでしょう )  と思うのですが、この点如何お考えでしょうか?

これについてもあまり異論はありません。 一般論として 「失敗する確度が極めて高い」 ことは否定できません。 並みのプロジェクトでないことはこのブログの当初から言及してきていることです。 

ただ、莫大な時間と言っても たとえば 「Longman Dictionary of American English 」 を例に取ると約5000時間 (個人差大!) であり、毎日2時間すれば8年間ぐらいで達成可能です。 その後の復習は毎日30分程度です。 また、過酷な修行であるとは断定できません。 楽しいことも多々あるからです。 

さらに、たとえ10%であるいはたとえばAの項目だけで挫折したとしても、決して無駄にはなりません。 学習事典を精読し未知語彙を転記ししっかり覚えることの成果は ― たとえ少しだけであっても ― 実に実り多いものです。 そのことを実感されている方も増えつつあります。 「塔」 の小さな1部を体験するだけで英語学習の新たな道に開眼する可能性も充分あると思います。 ( 挫折に瀕している人たちへ: その状態で一旦休止してやったところの復習だけを実行するのも得策ですよ。 やった部分だけでも貴重な宝です! また、復習が1段楽すれば、心が落ち着いて、さらに前進する意欲が湧いてくることも多いです )

「塔」 を読むことだけで何かのヒントを得ていただけることもあるはずです。

私は 「塔」 建設が非常に効率的で究極の語彙強化法のひとつであることを確信しています。 そのことに気づいていただきたいために 「塔」 のことを語ってきました。

しかし、「塔」 の実行・利用は、良識ある大人の まさに 「個人の好みと判断」  に依るしかありません。

> ・・・数万語の辞書を丸暗記しようとする試みは考えていません。それは余りにも長く、険しく、そして退屈な道程です。そして辿り着いた時、やはり未だ先がある (語彙の壁から解放された言語生活を送れない) のでは、費やした時間が余りにもモッタイナイと思うのです。それよりも、1~2万語程度の選別された語彙とあとは辞書という生涯の友人を伴って言語生活を送ることの方が楽しく、有意義だとさえ思っています。

これは ― 何度かこのブログでも触れてきたことですが ― しごく妥当な見解だと考えています。 JT さんのように外国語習得の何たるかをよくご承知の方がおっしゃることであればなおさらのこと反論できることではありません。 

私の場合は、2万語の語彙では満足できなかった。 日本語との格差に、すなわち「語彙の壁=「ごく普通」 の語彙力に達しないこと」 に、我慢できなかったということです。

なお、繰り返しますが念のため、私の言う 「語彙の壁」 突破は 「(学習辞書ではない)成人用の辞書」 まで不要になることを意味しません。 あくまで、普通の語彙力養成を意味します。 もちろん、「(学習辞書ではない成人用の) 辞書」 を友とする楽しみを放棄する気など毛頭ありません。

参考にしていただきたく、以下に過去の記事をもうひとつ掲げておきます。

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「語彙強化」の要・不要は、一般的に論じられるようなことではなくて、すぐれて個人的なものだと思います。

「学習辞書を覚えるのが最善の方法ですよ」というと、必ず、「ネイティヴ・スピーカーは、そんなに、5万語も6万語も、知っているの?」という声が聞こえてきます。

いつもいうことですが5万語内外の語彙力はあくまで平均的な人たちの語彙力であって、その水準に大きく外れる人はそれこそゴマンといます。

特に下向きの外れかたはかなり大きくなります。日本語のネイティヴ・スピーカーの場合でも事情はまったく同じです。

語彙力が2万語前後の人だって珍しくありません。

だから、たまたま自分の知り合いのネイティヴ・スピーカーの語彙力が「びっくり!」するほど低くても、実は、びっくりすることでもなんでもなくて、そんな例はいくらでもあるわけです。

周囲のネイティヴ・スピーカーの語彙力などどうでもよいことです。

あなたが日本人だとしてあるいは日本語を native tongue とする人だとして、それなりの新聞や雑誌や小説を理解でき、いろいろなことをそれなりに聞いて理解したり話したりできる人であるなら、あなたの日本語の語彙力は明らかに5万語前後であるかあるいはそれを越えています。それだけの語彙力があってはじめてそれなりの言語生活が営めるのであって、2万語前後の語彙力ではとうてい無理なはなしです。

ところが、「それなりの・・・」というようなことにはまったく無頓着なひとにとって、語彙力などどうでもいいことでしょう。

「語彙強化」の要・不要は、一般的に論じられるようなことではなくて、すぐれて個人的なものだ」という所以です。

一方、日本語でそれなりの言語生活を営める人が英語でもそれなりの言語生活を営みたいとしたら、英語の語彙力も5万語以上でなければなりません。

なぜ、英語の非ネイティヴ・スピーカーの私にそんなことが分かるのか?

役に立つ英語の辞書の語彙レヴェルを意識すればはっきり分かります。

英語の語彙力が数千~1万語内外の人が、『Newyorker』 や 『The Ancestor's Tale』 などを読んでそれなりに理解したい場合、当然辞書が必要になります(圧倒的に語彙不足の人が分からない語彙をすっとばして読むなど論外です!日本語の読書で分からない語彙があっても気にならないのは日本語で5万語以上の語彙力があるからです)。 

そんなときに役に立つ辞書は、見出し語が5~6万語を超える辞書です。中学生用の辞書(日常の会話では少なからず役に立つ語彙レヴェル)ではまったく役に立ちません。

必要になるあるいは役に立つ辞書の語彙レヴェルが即必要な語彙レヴェルです。

日本語のネイティヴ・スピーカーが日本語で書かれたものを普通に読む場合いちいち 『広辞苑 = いわゆる辞書』 などをひいたりしません。 『広辞苑』 ほどの語彙レヴェルは通常は不要だからです。

必要なレヴェルは、5万語超のレヴェル、英語で言えば「上級学習英英辞典(非ネイティヴ・スピーカー用)」のレヴェルであり、その程度の日本語は私たちの頭にビルト・インされています。

その語彙レヴェルを達成する実行可能な方法が、「学習辞書(いわゆる辞書ではなく、学習辞書!)暗記」 なのです。

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以上、長々とした饒舌を容赦くださいますように。

これからもなにとぞよろしくお願い申し上げます。

Thank you.

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