「アンチ・バベルの塔」とは何か?
それは、日本語では既に備わっている必須の語彙(=だれでも知っている語彙)を英語でも獲得する手段です。
これを理解してもらうのがなかなか難しい。
私なりにいくら説明しても 英語の「学習辞書暗記」を 「(成人ネイティヴ・スピーカー用の)辞書暗記」 と混同されてしまう。
「塔」 で暗記の対象とする辞書は、普通の人が思い描くような成人用の辞書たとえば 『広辞苑』 タイプの辞書ではないのです。
「塔」 のターゲット辞書である 「中級学習(英英)辞典」 は、日本語でいえばたとえばベネッセから出版されている (1)『チャレンジ小学国語辞典』 や (2)『チャレンジ小学漢字辞典』 レヴェルの辞書なのです http://www.benesse.co.jp/ 。 そして、(1)や(2)はみなさんが 「辞書」 と聞いて思い描くような 成人が分かりにくい語彙を引く辞書=広辞苑のような辞書 でないことは明白です ( 私自身は(1)や(2)を読んで楽しむときもあります )。
日本語だったら ― なにも知識人でなくても、あるいは特に学習意欲がある人でなくても、またはまるで本など読まない人であっても ― ビューティー・パーラーや喫茶店においてある雑誌を読んだり、テレビや映画を見たり、新聞を読んだり、普通に人の話を聞いたりすることに支障を感じる人はいません。
日本人であればだれでも (1) や (2) に記載されている程度の語彙はすべて理解できるからです。
ところが英検1級合格やTOEIC950点超の人であっても ネイティヴ・スピーカーなら小学校の2~3年生から夢中になる 『ハリー・ポッター』 をスラスラ読んだりそのCDの朗読を聴いて難なく楽しめたりする人は決して多くない、実は、非常に少ない。
それは、なぜか?
(1)や(2)に記載されている質・量の日本語の語彙に匹敵する語彙を英語でも理解できる人が希少だからです。
ぴんと来ない人は、書店で(1)や(2)を吟味してみてください。 その語彙レヴェルは、日本人としては知らないと生活できないレヴェルですが、普通の日本人の英語の語彙力と比較すれば極めて高いレヴェルです。
私の経験からしても、そんな生活レヴェルの英語の語彙を効率よく正確に ― 英語でチョッピリ(いくら多読と称していても実情はチョッピリにすぎない!)読書などをするだけで― 習得するのは不可能でしょう。
こんなことをいうとひそやかなあるいは猛烈な反対の声が上がるのが常ですが、異論がある方はどうぞご自分の方法で語彙強化なり多読なりを続けてください。 他の人の見解を気にすることなどまったく無用です。 結局は「わが道を行く」 のが最善の学習法だからです。 私の方法はしょせんはひとつの成功例=私見にすぎません。
しかし、その私見によれば、常時英語で読んで書いて聞いて話して教育を受けて各種の試験を受けてけんかをして恋愛して悩んで楽しんで生活して数万時間も費やして習得する生活語彙を ― たとえ認識語彙だけに限ってみても ― チョッピリ読書その他で獲得できることなど想像だにできないことです。
(1)や(2)に相当する語彙レヴェルの ― コンパクトにむだなく合理的に編纂された ― 英語学習辞書を覚えるのが、結局は、必須語彙獲得の最短の道だと、私は、経験上確信しているわけです。
もちろん、自分の語彙力にふさわしい読書をできるだけ実行することが英語の総合力を確実に向上させる最高の方法であることに反論する人はだれもいないでしょう。
「塔」は、あくまで、必須あるいは標準語彙の強化・獲得に限った方法です。
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