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コメントにお答えする(5/2008)

keisuke さんへ。

はじめてのお便りをうれしく拝見しました。 

いつも塔に関心を寄せていただきありがとうございます。

あまり関係のない話しで恐縮ですが Kansas  ということばを見ていきなり思い出したのがあの高名な作家 Truman Capote の名作 In Cold Blood の冒頭 ― The village of Holcomb stands on the high wheat plains of western Kansas, a lonesome area that other Kansans call "out there." Some seventy miles east of the Colorado border, the countryside, with its hard blue skies and desert-clear air, has an atmosphere that is rather more Far Western than Middle West. ― でした。

さて、語彙のお話。

> 現在はSVL12000の単語をLDOCEをメインに、時にはOALDも引いてみながら建設しています。建設材料として5x8"のindex cardを選択、100枚を1階とし現在は2階を建設中です。

これは成功する、かなりの効果が期待できる、大学生活にも大いに活かせる、と思います。 学習辞書にアタックするための優れた準備作業にもなります。

また、カード方式は ― 学習辞書暗記に限らず ― 数千語以上に及ぶ語彙の暗記・定着にもっと利用されるべきだと考えています。 もちろん、既成の語彙カードではなく、各自が独自に作成するカードです。 

> 暗記は竣工後、本格的に開始しようと考えています(現在はカードをパラパラ読み進める程度です)。

正解です。 不断にカードを利用するうちにどんどんあるいは徐々にいずれにしても着実にカードの利用法が進化します。 それにつれて思考・記憶力も伸び、各語彙の理解・定着が進む結果、努力の果実を存分に味わうことができるはずです。 少なくとも私はそれを体験しています。

カードを作成する時間が無駄だという意見が耐えませんが、短兵急な成果の追求は薄っぺらな成果しかもたらしません。 

> 留学前からこの方法で勉強できていたら、今どれほど楽に本業に邁進できていただろう、と思います。あるいはあの頃、せめて丹念に辞書を読んでいたら。もし中学あるいは高校時代の自分に24時間体制で家庭教師が出来るなら、徹底的にこの方法を叩き込んでアメリカに送り込みたい、そう考えたりもします。

これを読ませていただいて、「英語学習法(22)」 に書いた次の記事を再録したくなりました。

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安井京子著 『女は英語でよみがえる 2 勉強編 (はまの出版)』 の209ページより引用します。

(引用開始)

 辞書のおもしろい使い方を一つ紹介しましょう。私が塾で教えていた高校生のA君。大変優秀な子でその勉強ぶりにはいつも驚かされたものですが、彼が使っていた辞書は何と小学校の卒業記念にもらった薄い中学生用の辞書でした。
 「高校生になってこんな辞書を使っていたらだめでしょう」と私が言うと、「いや、先生、これは単語を覚えるのに使っているんです」と言うのです。
 彼は、教科書や参考書で知らない単語が出てくると、この辞書で引いてマーカーで印をつけるのです。印をつけるだけなら誰でもやりますが、彼がすごいのはその辞書をいつも持ち歩き、印をつけた単語を暇を見ては熱心に覚えていたということです。
 辞書ならば用例説明や例文も適切なものが書いてあって、中学生用の辞書でも収録語彙は1万語近くにはなりますから、下手な単語集よりはずっといいはずです。しかも実際に読んだ中から拾った単語を覚えていくのです。この方法で単語を定着させたA君は、2年生の終わりには他の生徒が四苦八苦しているサイドリーダーでも、知らない単語はほとんどないという力をつけていました。

(引用終止)

私は、このA君に「アンチ・バベルの塔」を訪ねてほしいなあと思っています。

A君が辞書を「ちゃちな市販の単語集」代わりに利用したことは、とても賢明な策でした。

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私は、中学・高校の英語カリキュラムに学習辞書の暗記を組み入れたらどうかと考えています。 とんでもない発想だと無視されるでしょうが、英知を結集すれば、中高生に適した暗記用学習辞書の編纂も可能でしょう。 既成のものなら 『ジュニア・アンカー英和辞典』 などは有力な候補だと思います。

> 現実に話を戻しますと、まず当面の目標は、卒業までに残された1年半という時間枠で1)SVL12000の完全習得2)SiL6000・SAT・GREレベルで塔を作成、の2点です。

ぜひ、達成してください。 実現可能なものから実行するのが王道です。 

> ・・・これらを総合すれば(重複語彙数は不明ですが)派生語も含め2万語レベルには到達するでしょうし、そうなれば5万語クラスの学習英英辞書・英和辞書の暗記も完全に視野に入れることができるのではないかと考えています。

2万語に達したら英語の視野はもっと明るく広くなるでしょう。 最後は ― 広い意味で ― 語彙ですよ。


> 塔の建設に大きな進展があった時には、またコメントさせて頂きたいと思います。

心待ちにしています! しかし、本業もだいじですし、どうぞあせらずに、体に気をつけて、融通無碍(ゆうずうむげ)に、残りのキャンパスライフを満喫してください。

有益な語彙関連サイトの紹介もありがとうございました。

それでは、また。

Thank you.

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Comments

こんにちは、keisukeです。お返事ありがとうございました。
 辞書学習を実行していたAさんの話は興味深いですね。お手本となるような方が、当時Aさんの周りに居たのでしょうか。あるいはご自身でその方法がベストであると悟られたのか。
 中等教育現場での辞書暗記、生徒に実行してもらうより先に、現場を担当する教師の方々から実践してもらえるなら、あるいは成功するかもしれません。身近に素晴らしいお手本になる方が居れば、teenagersはコロっと騙されて、すぐ暗記を始めるのではないでしょうか。
 一個人の体験談ですが、英語教育に対する真摯な姿勢と確かな英語力(語彙面ではおそらく2~3万語程度は習得されていると思います)で「神」と形容される先生に出会いました。1年間、目から鱗を落とし続けて勉強していたことを今でも思い出します。もしその先生が辞書暗記を推奨しているなら絶対に飛びつきます。それくらいインパクトのある方でしたし、友達との会話でもその英語力を羨む発言が度々ありました。その一方で、全く要領を得ない授業を延々と繰り返し「自習のほうがマシだ」と思わせる方もいました。後者については、当時の自分の努力不足の面が相当大きい気もします。が、仮に今の英語へのモチベーションを持っていたとしても、(残念な事に)やはり疑問符がつくだろうな、と思うのです(ブログ内の記事だったでしょうか、英語教員で英検2級か準1級程度の実力さえも怪しい方がいる、といった記述を目にしたように思います)。しめっぽくなってしまうのでこの辺りで筆を擱こうと思います。
 とにかく、目の前の目標を確実に潰していこうと、また決意を新たに出発です。疲れたときはブログの記事を読んで癒されたいと思います。

では、失礼します。

Posted by: keisuke | March 25, 2008 at 12:26 PM

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