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2009年新年あけましておめでとうございます。

みなさん、あけましておめでとうございます。

本年もどうぞよろしくお願いします。

2004年に書き始めた 「塔」 のブログも今年で何と5年目にはいります。 

私にとって「塔」の語彙(単語・熟語・スラング・その他のチャンク表現)を毎日1時間ほど復習することは寝食とまったく同じ習慣になっています。 習慣にしてしまえば、復習は苦痛ではなくなります。 

そして、同じ語彙を何度も何度も復習することによっていやでも定着の度合いがましていく。 

他方、英語を読み、時に書き、しゃべり、聞くことによって、復習をかさねている語彙があちこちに登場する。 ずばりそのままの姿で登場することもあるし違うイメージで現れることもある。 かくして、語彙のダイナミズムを実感することができる。 

こうなると英語は母国語にどんどん接近してくる。 

それでも 「復習」 は欠かせない。 母語の日本語に比べると接する時間がかなり少ないからだ。 「塔」 以外の語彙は 「復習」 しなくても多読・多聴などで維持可能であるが、「塔」 の語彙は復習が欠かせない。 それが 「英語が外国語である」 所以である。

私の「塔」は 「上級学習英英辞典」 の5年前時点の未知語を収録したものですが、その「上級学習英英辞典」は日本語で言えば (現代生活に必要な約六万三千語を、現代語を中心に収録した ) 『小学館 日本語新辞典 (松井栄一 編)』 と同じレヴェルの辞典です。

私は日本人ですから 『小学館 日本語新辞典 (松井栄一 編)』 に収録された日本語の語彙は (認識語彙としては) 「復習」 なしに維持できます。 

英語の場合はそうはいきません。 そこが英語の外国語たる所以です。 私の母語は日本語だから、普通に教養のある英語のネイティヴ・スピーカーならだれでも知っている英語の語彙であってもその内の5分の1 (ごく大雑把な計算なのでこの数字にあまりこだわらないでください!) 程度の語彙 ― つまり「搭載語彙」 ― については半永久的に復習しないと忘れてしまう不安があるわけです。 

『小学館 日本語新辞典 (松井栄一 編)』 と同じレヴェルの語彙ですから特殊な語彙でも何でもないのですが復習が欠かせない。 

換言すれば、「搭載語彙」 は私なりの多読や多聴などでは決して定着しなかった語彙群なのです。 

そんなことをしなくても、「塔」など建てなくても、「中級学習辞典」以上の語彙程度なら多読や多聴などで充分獲得できるし維持できる。 だから、「塔が唯一の方法だと主張するのは間違いだ!」 と唱える人たちが絶えません。

実際にその通りなら大いに結構なことです。 「塔」 などまさに無用の長物でしょう。 そんな方法があればぜひ教えていただきたい

しかし、そんなことをいう人たちが「中級学習辞典」以上の質・量の語彙の実証済みで具体的な獲得方法を示しているのを見たことがありません。 どんな本をどれくらいのページ毎日どれくらいの時間どれくらいの年月をかけて読んでたとえば 「Cambridge Advanced Learner's Dictionary」 に匹敵する質・量の語彙を習得したのかという説明がまったくありません。 それでは何の参考にもならないのです。

「Cambridge Advanced Learner's Dictionary」などに掲載されている語彙情報は必要なものばかりとはいえ、その質・量は日本語だけで育ち日本語だけで教育を受け日本語だけで生活する日本人が英語のいわゆる多読・多聴だけで収集できるものではないし維持できるものでもない。 収集・維持できると主張している人たちは単に 「錯覚」 あるいは 「そうであるはずだ」 と思っているに過ぎない。 大人になってから数年間留学したり数十年英語圏で暮らしたりしている人であっても事情はほとんど変わらない。 

おそらく 「Cambridge Advanced Learner's Dictionary」など をじっくり読んだことさえない人たちがそんなことを思っている。 

あるいは、自分で語彙不足を感じない人たちがそんなことを考えている。 語彙の満足レヴェルは各人各様ですから自分の語彙に不満のない人なら 「塔」 などに関心を持つ必要はまったくない。 昔は自分の語彙に不満があったが今は多読・多聴で充分な語彙を習得済だという人は、一般論ではなくあなたの具体的な語彙獲得法を教えて欲しい。学習辞書などじっくり読みもしない人が、「他の方法で成功した人もいる」 とか 「~のはずだ」 とか 「私は別の方法で成功した」 というだけでは 「具体的なイメージ」 はまるで立ち上がってこない。 具体的でなければ意味がないのです。

私は、そんなわけで、今年もさらに多くの人たちに 「塔」 を訪ねてもらって 「学習辞典」 の有用性に目覚めていただきたい。 

学習英和辞典・学習英英辞典をもっと活用していただきたい。 学習辞典の 「食わず嫌い」 の人もかなり多い。 いまだに 「辞書の定義は実態とかけ離れて形骸化したものだ」 とか 「(語彙レヴェル不明の)ネイティヴ・スピーカーのことばが最も自然で正しい」 とか、何の根拠もなく思い込んでいる人たちが珍しくない。 そんな偏見を捨てて欲しい。 「学習辞典」 は有用な情報の宝庫なのです。 じっくり読めば 「質・量共に誤解に満ちた自分の語彙レヴェル」 もしっかり把握できます。 「食わず嫌い」 で放置するにはあまりにも惜しい。

それでも有用性や興味を感じなかったら 「塔」 などさっさと無視すればいい。 そして、もっとすばらしい方法を ― あなた自身で実証を済ませてから ― 手に取るように具体的に示してくれたら最高です。

追記: 学習辞典であっても英国系と米国系の辞書では掲載語彙に多少の差異はあるしあなたが英語圏で暮らす中で習得した日常語彙が掲載されていない場合などもあります。 しかし、そんなことはささいなことです。 今は 「オンライン検索などを含めて足らざるを補う手段」 はいくらでもあります。 枝葉末節にこだわるより 「コーパス標準語彙」 をまず習得すべきでしょう。 他方、学習辞書にあなたが不要だと思う語彙があれば自己責任で無視すればいい。 もうひとつ、 「塔主」 は、語彙強化を強調していますが、英語をしゃべることや聞き取ることにも格別不自由は感じていませんのでご懸念無用です。

Happy learning !

Thank you.

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Comments

あけましておめでとうございます。
私は、このブログに感化され、昨年cobuild英英和で、塔を建てました。
といっても、多義語は最初の意味しか覚えていませんが。試しに、
シドニー・シェルダンの本を読んだところ、笑ってしまいました。
覚えた単語が出るわ出るわでした。400ページで未知語は、200語程度でした。
未知語が2ページに1語ほどだとかなり楽しめます。辞書は引かなくても
十分楽しめるのですが、塔の増築のため引きました。最初に読んだ洋書は、
未知語が1ページに5個ほどあり、楽しむどころではありませんでした。
塔建設は、大変でしたが、その甲斐はありました。中級英英かつ多義語は1つの意味のみ
でこれほど洋書を楽しめるということは、上級英英すべて覚えると、塔主様が
言っておられるように、ほとんど日本語と同じレベルで理解できる事が想像できます。
それを目指したい欲求はあるのですが、リスニングが弱いので、この強化を優先します。
しばらくは、復習を続けつつ、洋書を読み単語を増やそうと思います。
残念ながら、復習は、必須のようです。もう覚悟できました。1日30分のテレビを
我慢すればいいだけなら、それ以上の価値はあります。
暗記法ですが、塔主様と同じように、カード化しました。単語は、エクセルで管理しているので、
カード化は必須であり、手間ではありません。コピペですみますし。
また、定義や例文が気に入らなければ、変更しました。
暗記には、自分専用の辞書を作るのが、私にとっては、もっとも効率的と確信しています。
このブログがなければ、英英辞書暗記など、絶対思いつきませんでした。
特に中級英英辞書暗記は、非常に優れた学習法と思います。
塔主様に、感謝感謝です。

Posted by: tetsu | January 04, 2009 at 04:37 PM

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