« August 2009 | Main | October 2009 »

コメントにお答えする(13/2009)

stardust さんへ。

はじめまして。

「塔」を覗きにきていただきありがとうございます。

> 最初は効率が悪すぎるのではと思っていたのですが、SVLやJACETの語彙リストを参照しながらならできないことはないのではと思い始めてきたところです。

私も、体験記なども参考にしながら、「語彙強化の効率」を高めるためにあらゆることを試してきました

「従来の方法」はすべて試してみて、その結果到達したのが「アンチ・バベルの塔」だったのです。

デジタル・アナログを問わず、「語源・語呂合わせ・分野別などなど」 stardust さんが考えておられるようなことは、おそらく、すべて体験済みです。

「塔」はそうした方法を随所に活用した「総集編」のような方法です。

ただし、前提として、構文・文法・音声の習得があります。その前提を欠く語彙強化は不可能だからです。

「塔」が必要になった最大の理由は、「従来の方法ではせいぜいネイティヴ・スピーカーの小学生レヴェルの語彙力」しか得られないからです。

英検1級合格やTOEIC950点超獲得が究極の目標であるなら「本来の塔」は効率の悪い方法でしょう。しかし、成人ネイティヴ・スピーカーのレヴェルに肉迫したいのであれば、私であれば「塔」しかありません。

> ・・・翻訳家の柳瀬尚紀氏が、「…最大の恩師は齊藤秀三郎『英和中辞典』(岩波書店)です。この辞書をトイレへ持ち込んでまで読んだ話は二、三度活字にしたから繰り返しませんが、どうなんでしょう、この頃は辞書を読むなんて勉強法はチッキみたいに忘れられたのじゃないでしょうか。もっぱら即効的な技術が求められ、またそれを仕込まれるらしい。いまはただ、それにちらりと疑問を呈しておくだけにしますが。」(同書pp.16)と書かれていて、すごくひっかかったんです。

本質を突くご指摘だと思います。翻訳などで何かの記念碑的な仕事をした人で辞書に精通していない人はいないでしょう。

ただ、「塔」のターゲットは「学習辞典」です。

「塔」を建てるのは、まず、 「日本語の本を読むごとく自由に英語の本も読めるようになる」ためですが、他方、柳瀬尚紀氏が示唆しているような辞書の活用の前提となる語彙力を獲得するためでもあります。

つまり、「塔」は、(非ネイティヴ・スピーカー用の学習辞典ではない) ネイティヴ・スピーカー用の英英辞典を利用できるだけの語彙力を養う方法でもあるわけです。

それにしても、柳瀬尚紀氏訳のたとえば 『フィネガンズ・ウェイク I II 』 は驚異の作品です。とんでもない奇才にしてはじめてなしえる偉業でしょう。

こちらこそ、よろしくお願いします。

Thank you.

| | Comments (0) | TrackBack (0)

従来の語彙強化法とアンチ・バベルの塔

初めて私のブログを読んでくださる方々のために、従来の語彙強化法「塔」の違いを簡単に列挙してまとめておきます。

1 本来の「塔」は「中級/上級学習英英辞典を利用し、市販の語彙集は使わない。

2 「搭載語彙」は、「塔」作成時の各人の未知語彙」であって、市販の語彙集のように「既知語彙・未知語彙」が混在したものではない。もちろん、「塔」完成後は、(専門・業界用語集などを除く)市販の語彙集の語彙レヴェルをはるかに超える水準に達する。「TIME」などは「こんなに読みやすかったのか!」と思うようになる。実際、日本の週刊誌同様の親しみを感じる。

3 まずは認識語彙(=見聞きすれば理解できる語彙)の強化を目的とするものであって、発信語彙の強化を直接の目的とするものではない。ただし、副産物として発信語彙も強化される。

4 究極の目標レヴェルは(専門・業界用語などは除く)成人ネイティヴ・スピーカーのレヴェルであって、英検1級やTOEIC950点超(=ネイティヴ・スピーカーの小学生レヴェル)ではない。

5 数ヶ月や1年内外の短期のプロジェクトではなく、数千時間~1万時間(個人差が大)に及ぶ長期のプロジェクトである。関連記事 ( http://sanshisuimei.cocolog-nifty.com/_the_tower_of_antibabel/2008/07/post_2971.html)も参照されたし。

6 「塔」は永久復習を組み込んだ語彙強化・維持法である。始終接している日本語の場合と異なり、接する時間がはるかに少ない英語の語彙は、永久復習なしでは維持できないからである。

7 読書やリスニングなどは、情報収集・学問・娯楽のためにするものであるが、「塔」語彙の、より立体的・具体的な文脈での体験であり、無意識の復習でもある。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

« August 2009 | Main | October 2009 »