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大西泰斗 ポール・マクベイ著 『一億人の英文法(東進ブックス)』 (1)

昨日(2011年9月6日)近所の紀伊国屋書店で 『一億人の英文法』 を購入して読み始めました。

表紙カバーには ― 「話せる英語」を最速で達成し、英語のシステムを最も「カンタン」に解説し、ネイティブスピーカーの「意識」を詳説し、高校生から社会人まですべての人が対象の文法書である ― 旨のキャッチコピーがあります。

全体のレイアウト・イラスト・カラーの使い方・コラム等等、私には、たいへん好ましく興味をそそられるデザインで、 \1800+税 の価値は充分にある、退屈しない文法書です。

従来の文法書は 「英語を話せない日本人」 を生み出してきた ― という著者の主張にはかなり誇張があって(学校文法は会話にも大いに役立ちますよ!)全面的に同意はできません。

しかし、文法書としては従来にはなかったスタイルの、非常に有効な取り組みで、なみなみならぬ著者の意欲も随所に感じられます。

昨日は、第0章 英文法の歩き方 を読み終えました。「英語は配置のことば」だという著者の強い主張がよく理解できます。英語は語彙の位置によって意味が変わることばであることを独特の仕方で説明してあって、その分、新鮮な印象を受けました。

ただ、どの文法書にもあることですが、表現の仕方によって誤解を招きかねない記述もあります。

たとえば、34ページの「配置がわからなければ道路標識だって読めやしないよ」というコラムに ― (引用開始) ROAD CLOSED は「この道は閉鎖されています」と road を closed が説明。ほら、配置規則どおり。ためしに順番を変えて CLOSED ROAD。これでは誰も理解できません。「閉鎖道」、どんな道なんだっちゅーの。それ。(引用終止) ― という記述があります。

しかし、CLOSED ROAD という表現自体はちゃんとあるし意味するところも ROAD CLOSED とだいたいかさなります。現に、見出しが Road closed means closed road ( http://www.woodstocksentinelreview.com/ArticleDisplay.aspx?e=3161582 ) の地方ニュースもある。

工事中なので ROAD CLOSED という道路標識 を掲げてあるのに車がよく侵入してきて危険だ、Road closed means closed road (道路閉鎖とは閉鎖された道路のことである [ だから入るな])というイラダチも感じられる記事ですね。

上記のコラムを取り上げたのは,読みながら closed circuit ( = 閉回路 ) という語彙が思い出されて興味がわいただけのことで、このコラム自体が間違いだとかなんとかいうつもりはまったくありません(念のため)。

文法書の新たな地平を開いたすばらしい試みだと思います!

他方、従来の文法書の価値が減じることもまったくありません


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