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「アンチ・バベルの塔」建設と維持の実際

本格的に「塔」を建設したい人、あるいは今している人たちに、ちょっとした助言をしたいと思います。

前提

1 高校レヴェルの文法・構文をマスターしていること。マスターするというのは学習に関して言えば達人のレヴェルです。「だいたいわかる」程度ではないことを銘記しましょう。

世にはびこる「文法不要」・「短期で達成可能」・「ブロークンで構わない」 などの英語学習とは無縁です。

真に必要なレヴェル(それなりのネイティヴスピーカーに肉薄するレヴェル)に達するためにはそんな学習法では習得できません。

長期にわたって真剣な学習が必要なことは「当然!」のことです。

2 音声もマスターしていること。音を無視した言葉など半ば死んだ言葉です。しゃべったり聞いたりできなければ半ば無意味です。

本格派の「塔」建設の実際(ただし、自分に合ったレヴェルの辞書を選んで助走しつつ本格期に備えることも一つのやり方だし、それはそれで大きな意味があります。本格レヴェルに進まなくてもやらないよりはるかに実利を得ることができるからです)

3 開始するレヴェルは英検1級合格

「塔」の開始と維持・管理について

1 ターゲット辞書はたとえば「Merriam Webster's Essential Learner's English Dictionary 総ページ数1381ページ」

2 新たな未知語あるいは不確かな語については毎日10回に達するまで復習し、その後も適宜復讐を繰り返し、「塔」が完成した後は毎日カード10枚の復習を生涯続ける。

3 たとえば上記のターゲット辞書を使った「塔」建設に用いる情報カードの枚数(1枚に記入する語彙は10語前後)は、個人差はあるが、自分の語彙数が1万語くらいから始める標準的な人の場合、およそ1600枚前後になるでしょう。

4 これを毎日10枚ずつ復習すると160日(つまり六カ月みておけば余裕)程度で1回転できます。年に2回の復習。必要な受容語彙の記憶維持はこれで充分です。ただし、やめるとせっかくの記憶はどんどん薄れますよ。

以上、参考になれば幸いです。

なお、たとえ「a」の項だけでやめてしまってもそれも生涯復習しましょう。「aの項なら自信があるよ!」という馬鹿にできないひとつのよりどころになって楽しいからです。

Happy learning!

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Comments

K.Y.様、はじめまして。AW-payと申します。

現在、ロングマンアメリカ英語辞典で塔を建設しています。

Aから始めて、Nの終わりまで来ました。

毎日0.5ページという、のろまなペースですが、着々と前進しています。

止めずに続ければゴールに到達できる、と確信できる所まで来たので、これからも淡々と未知語を拾って行きます。

それでは、また。

Posted by: AW-pay | April 05, 2017 01:33 AM

AW-pay さんへ

> Aから始めて、Nの終わりまで来ました。

うれしいですね!もう大丈夫でしょう。

> 毎日0.5ページという、のろまなペースですが、着々と前進しています。

ネイティヴスピーカーだって、受容語彙が必要な水準に達するまでに20年前後かかるわけですから、のろまなペースでもないと思いますよ。

覚えて忘れて復習して復習して何度も復習してそのうちに記憶が定着しだしてほぼ覚えてしまったら、その後の維持管理は生涯のゆったりした復習持続にまかせる。

ちりも積もれば山となり維持管理によって壮大堅固な山脈になる。

どうぞ淡々と楽しんでください!

Thank you.

Posted by: k.y. | April 10, 2017 11:33 PM

こんにちは。自分は英検一級を持っていませんが、英語の力が少しでもネイティヴに近づきたいと考えています。まだ塔の建設にはやはり早いでしょうか?ただいま大学1年です。toeicしか受けたことがありません、800後半くらいの点数です。

Posted by: i.Kk | November 20, 2017 06:24 PM

i.Kkさんへ。

いつからでもいいのですが、ふつうは1級合格後の方がやりやすいと思います。

1級に合格すれば、読み書き・話すこと・聴くことなどの基礎がだいたいできていることになるので、語彙強化に割く時間が多くなっても学習のバランスを欠く心配が小さくなるからです。

そして焦らないこと、数年~10年~20年さらに永久的に復讐を欠かさない、中断してもまた再開する、という感じでやってみましょう。

ただ、当面は、英語の基礎を確率するためのバランスのとれた学習が望ましいとは思います。

Thank you.

Posted by: k.y. | November 21, 2017 05:12 PM

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