学問・資格

2020年新年あけましておめでとうございます。

今年もみなさまのご多幸とご健康をお祈りします。

いきなりですが、すばる舎刊・ナイジェル・ウォーバートン著 月沢李歌子訳『若い読者のための哲学史 (原著:A Little History Of Philosophy)』の174ページに、ダーウィンの進化論を論じて、以下の記述があります。

(引用開始)進化は、知性によって起こるのではない。その背景には、良心もなく、神もいない。少なくとも、そうしたものが存在する必要はない。人間的な感情もない。自動操縦の機械のようなものだ。どこに向かうかもわからず、(進化は)つくりだす動物や植物について考えてもいない。つくりだしたものに関心もない。つくりだされた動物や植物は、まるで誰かが巧みに設計したものとしか思えないが、そうではない(引用終止) 文中(進化は)の部分は私が追加。

私もそう思う、思わざるを得ない。しかし、悠久の時を経て、設計者もなく、自覚もなく、目的もなく、しかも極めて合理的・合目的的に見える仕方で進化する様はまさに不思議としか言いようがない。

そこで、まだややこしい話がある。デジタルが加速して急激に変化する今の世はどうなのか。AIも悠久の進化の産物なのか否か? 自動操縦の機械なのか? 細胞生物ではない機械の進化? シンギュラリティーとは何? 人間の知能を超えるとは何? 

進化論が正しいとして、その進化論の観点からAIを捉える精緻な議論がないかぎり、AIは理解できない!

今、近所の寺の新年の鐘の音が聞こえる。

AIも鐘をついて正月をすごすのか?

とりとめもない話、失礼しました。

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2019年新年あけましておめでとうございます。

みなさん、あけましておめでとうございます。

平成の世がまもなく幕を下ろし、政治・経済・テクノロジー・社会・環境などの尋常ならざる変化が予想される世界の戸口に立っている。

それだけにリスクも高いが、反面、とりわけ尖った人たちにとっては、チャンスにも事欠かない時代に突入してゆく感じがする。

トランプ的な政治の潮流、中国の台頭と変容。

日本は、新元号下におけるアベノミズムの終盤。

朝鮮半島の政治的流動。

容赦のないAIの影響。

若い世代の未来は? 

尖った人たちにとっては明るいと思う。

私事、今年の夏で、72歳になる。

世の中の激動を横目に、人生の整理に入ってゆくつもりです。

かなりの蔵書を整理し、読み込みたい辞書を数冊に絞り、終生読み続けたい書物も数冊に限定し、英語はさらに深掘りしてゆくつもりです。もっとも、つもりですから、結局どうなるかわかりませんが。

もちろん、アンチ・バベルの塔は管理怠りなく、これからもたいせつにします。

ことしもよろしくお願いします。

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英英辞書を丸暗記するハリウッドの日本人俳優

https://www.shigoto-ryokou.com/article/detail/327

すごい努力だけど、成果もすばらしいですね!

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2018年新年あけましておめでとうございます。

昨年末にアルクから『起きてから寝るまで英語表現1000』という本が出版された。

日常生活に密着した表現集で、今の社会環境を反映した実用性はもちろん、随所に知的な刺激も備えた楽しい書物になっている。

監修者の吉田研作先生は巻頭で以下のように記されている。

(引用開始)『起きてから寝るまで英語表現550』が初めて出版されてから30年近い月日が過ぎた。そして、その間に、世の中は、目まぐるしい勢いで変化してきた。当初はまだ今のようなスマホやインターネット中心の生活はなかった。通勤にスイカやパスモなどを使うこともなかった。世の中が変われば、それに見合った言語生活が生まれるので、本書のように英語の運用能力の上達を目指したものは、その変化に応じて扱う内容や表現を変えていかなければならない。今回の『起きてから寝るまで英語表現1000』は、それを考慮したもので、単なる改訂ではなく新たに書き下ろしたものと言っても過言ではない。フレーズ集を増やし、現代生活で必要とされる表現を数多く取り入れた。(引用終止)

そのスマホやインターネットなどの出現・発達によって生きた英語表現に接することが実に容易になった。

まさに隔世の感がある。英語学習はさまざまな障害を脱してしかも驚くほど安価になった!

だから、「英語の基礎(発声・文法構文・語彙など)」を習得した”あと”の生きた英語の習得は昔ほど困難なことではなくなった。

ただ、いかに時代が激変しても、絶対に必要なのはその「英語の基礎(発声・文法構文・語彙など)」である。

ここで、「アンチ・バベルの塔」の塔主として、英語の基礎の一環を成す語彙の習得を取り上げてみよう。

人はだれでも20歳前後までに母語の基本語彙獲得を終える。その基本語彙は社会環境がいかに変わっても変化することのない基盤語彙である。人は20歳前後からの生活を、自分の基盤語彙を活用して時代の変化に対処しつつ生涯を過ごすことになる。ほぼそれだけで生涯を終える人も多い。

「アンチ・バベルの塔」はそんな基盤語彙を獲得するひとつの方法だ。

必要年数は、英検準1級合格レヴェル、できたら1級合格レヴェルから、5~10~20年。

今から「塔」の建設を始めたいと思う人たちには、あくまでもひとつの参考に過ぎないが、「塔」のターゲット語彙集+その他の語彙資料を掲げておきたい。

① 『エースクラウン英和辞典(第2版)三省堂』 投野由紀夫編 
② 『Basic Word List(fifth edition)』 Barron's
③ 『Merriam-Webster's Advanced Learner's English Dictionary(second edition)』

①と②は暗記すべき語彙集。重複する語彙も多いので2冊だからと言ってそんなに負担にはならない。②にはsynonym test もあって復習に便利だ。例文も有益だ。①と②で基盤語彙は充分である。

③は、例文が欲しい時にとりわけ重宝する。

その他、必要だと思えば、いろいろな「オンラインや紙の辞書・アプリなどその他の資料」を適宜利用したい。ただあまり手を広げ過ぎないことも「塔」建設に成功するためのコツになる。

本年もよろしくお願いします。

Thank you.


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尊敬してやまない「渡部昇一」先生が他界されました

2017年4月17日、先月、「知の巨人」が「書痴の楽園」を残して逝ってしまわれた。

86歳ですから長寿でしたが、ショックでした。

最近の痛々しいまでに瘦せこけた御姿はその日が近いことを充分に告げていましたが、それでも映像を収録し執筆も続けておられた。

「知的生活の方法」は私のバイブルです。

私のささやかなログハウスの書斎は「知的生活の方法」で描かれた書斎の稚拙な真似事です。

https://www.youtube.com/watch?v=uj2_S8okMlU&t=387s → 最晩年の渡部先生の映像。ご覧になった方も多いでしょう。

誰にでも、生まれたからには、絶対に逝く日が訪れる。

15万冊の書庫は?

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「アンチ・バベルの塔」建設と維持の実際

本格的に「塔」を建設したい人、あるいは今している人たちに、ちょっとした助言をしたいと思います。

前提

1 高校レヴェルの文法・構文をマスターしていること。マスターするというのは学習に関して言えば達人のレヴェルです。「だいたいわかる」程度ではないことを銘記しましょう。

世にはびこる「文法不要」・「短期で達成可能」・「ブロークンで構わない」 などの英語学習とは無縁です。

真に必要なレヴェル(それなりのネイティヴスピーカーに肉薄するレヴェル)に達するためにはそんな学習法では習得できません。

長期にわたって真剣な学習が必要なことは「当然!」のことです。

2 音声もマスターしていること。音を無視した言葉など半ば死んだ言葉です。しゃべったり聞いたりできなければ半ば無意味です。

本格派の「塔」建設の実際(ただし、自分に合ったレヴェルの辞書を選んで助走しつつ本格期に備えることも一つのやり方だし、それはそれで大きな意味があります。本格レヴェルに進まなくてもやらないよりはるかに実利を得ることができるからです)

3 開始するレヴェルは英検1級合格

「塔」の開始と維持・管理について

1 ターゲット辞書はたとえば「Merriam Webster's Essential Learner's English Dictionary 総ページ数1381ページ」

2 新たな未知語あるいは不確かな語については毎日10回に達するまで復習し、その後も適宜復讐を繰り返し、「塔」が完成した後は毎日カード10枚の復習を生涯続ける。

3 たとえば上記のターゲット辞書を使った「塔」建設に用いる情報カードの枚数(1枚に記入する語彙は10語前後)は、個人差はあるが、自分の語彙数が1万語くらいから始める標準的な人の場合、およそ1600枚前後になるでしょう。

4 これを毎日10枚ずつ復習すると160日(つまり六カ月みておけば余裕)程度で1回転できます。年に2回の復習。必要な受容語彙の記憶維持はこれで充分です。ただし、やめるとせっかくの記憶はどんどん薄れますよ。

以上、参考になれば幸いです。

なお、たとえ「a」の項だけでやめてしまってもそれも生涯復習しましょう。「aの項なら自信があるよ!」という馬鹿にできないひとつのよりどころになって楽しいからです。

Happy learning!

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2017年新年あけましておめでとうございます。

「日経」元日1面記事は次のように記している: 

「当たり前と考えていた常識が崩れ去る。速まる一方の技術の進歩やグローバリゼーションの奔流が、過去の経験則を猛スピードで書き換えているからだ。昨日までの延長線上にない「断絶(Disruption)」の時代が私たちに迫っている。」

「グローバリゼーションの奔流」は America First というトランプ次期大統領のスローガンなどが示唆する「反グローバリゼーション=国家主義」への強い傾きによって抵抗を受けるかもしれない。

しかし、それも、断絶(Disruption)」の一断面であることは否定のしようがない。

さて、1970年につまり46年前に 未来学者・Alvin Toffler が 「Future Shock」 を出版した。 「Future Shock」 の構想は、Tofflerが巻末に列挙した参考文献からしても、半世紀前になるはずだ。

だから、その未来予測の1部はまったくの的外れに終わっている。半世紀の断絶はとてつもなく大きい。

それでも、Toffler のいう 「Change」 の波紋がもたらす現象と葛藤の描写は 「断絶(Disruption)」 の世相に当てはめて古びた感じはまるでない。

人自体は進化も変化もしていないからだ。

私は年末になって、すっかり古書になった 「Future Shock」 のペーパーバックを引っ張り出してきた。

Toffler は彼の他の著作も含めて私の人生の羅針盤だった。

激動の昨年が 「Future Shock」 を想起させたのだ。

その第1章のタイトルは 「The Death of Permanence」。

そして Toffler は書いている。

「In the three short decades between now and the twenty-first century, millions of ordinary, psychologically normal people will face an abrupt collision with the future. Citizens of the world's richest and most technologically advanced nations, many of them will find it increasingly painful to keep up with the incessant demand for change that characterizes our time. For them, the future will have arrived too soon.」

私はこの 「断絶(Disruption)」 = Change を、何十年も続けてきた株式投資を通じて楽しみたいと思う。証券マーケットは Change を vivid に反映するスリリングな劇場だからだ。

ところで、英語にも change があった。トランプ次期大統領は 「political correctness = インテリの仮面」 をぶち壊すスピーチで人気を維持し、大方の予想をものの見事に覆して選挙を制した。

他方、「political correctness = インテリの仮面」を多用したCNNなどの主要なメディアやそれに追随した日本の主要メディアは報道の正確さ・公平さを著しく欠く欠点を露呈した。

2017年はおもしろい年になるかもしれない。

みなさん、ことしもよろしくお願いします。

健やかな年でありますように!

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2016年新年あけましておめでとうございます。

みなさん、あけまして、おめでとうございます。

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昨年もまたいろいろな事件・災害・テロ・紛争などが発生し、人々が苦しみ、悲しみに打ちひしがれ、内外を問わずまだまだ立ち直れない方も多いと思います。

なかには、あきらかな人災もありました。

他方で、スポーツ・科学・文学・芸術などで、感動に満たされ、日本人としておおいに誇りになり、うれしかったこともたくさんありました。

人それぞれも、それぞれの悲喜こもごもがあったはずです。

私は、毎年のように、10回ぐらいはおきまりの悪夢をみてしまいます。とんでもないところで、しかもいつもまったく同じところで道に迷ってしまう夢。帰り道が決して見つからない夢です。

みなさんは、そんな夢見ますか?

とにかく、さまざまなことが、いいことも悪いことも、発生します。

私は、相場もやりますが、これまた、見事にカオスの世界です。

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しかし、黙々と、きわめて正確に動くものがあります。

それは、時の流れです。

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その絶対変わらない時の流れと英語の語彙強化を結び付けて語ってみたいと思います。

英語学習で 効率=できるだけ時間をかけないやりかた を是とすることが当たり前になっていて、また、それは当然のことで、異を唱える根拠も見つかりません。

英語の語彙強化に関してもまったく同じです。

ただ、英語語彙強化の分野であまり時間をかけずに、つまり数か月~1年ぐらいを目安にして、目標を達成できるのは数千語から1万語ぐらいでしょう。

ネイティヴ・スピーカー並みの語彙数・5万語以上を獲得するためには、常識上だれも効率が良いとは思わない1万時間以上の取り組みが必要です。そのためには、忙しいなか、学生やいくらでも時間があるひとは別にして、語彙強化にばかり時間を割くことは不可能ですから、10~20年必要になります。

特に、日本語と同様に英語でものを読めるようになりたい人にはぜひ必要な取り組みです。

「そんなに語彙数がなくても大丈夫だよ」とおっしゃる人たちも多い。しかし、そんな人たちは日本語と同様に英語の読書などできているはずはありません。ただの妥協でしょう。

私たち日本人が日本語の語彙を5万語超理解できて英語のネイティヴ・スピーカーが同程度の語彙を理解できるのはそれが必要だからです。生きてゆくのに呼吸が必要なのと同じです。自然現象です。厳然たる事実です。

そこで私が立案・実行し、今も復讐を繰り返しているのが「アンチ・バベルの塔」方式です。

先にも言いましたが、時間はきわめて正確に過ぎてゆきます。

毎日が坦々と過ぎてゆきます。容赦なく過ぎてゆきます。

この時間の流れに乗らない法はありません。

坦々と、ルーティーンとして、毎日復讐を繰り返すだけです。

復讐の最終段階になれば必要時間数は毎日1時間ぐらいです。ルーティーンとはいえ ― 「これだけの語彙がわかるんだ」という自負に支えられて、また、毎回何かの新たな気づきも加わって ― 決して退屈な作業ではありません。カードの裏に付随情報を縷々(るる)加えることも楽しみになります。

そして、あとは、ただただ時の流れに身をゆだねる。

5万語超の語彙を習得することは可能です! 

それには、容赦のない時間の流れ を利用するのが最善です。先の計画も立てないし、振り返らないし、ただ毎日カードを20~30枚復讐する。

そして、楽々と、英語で読書を楽しみ、英語でものを学び、英語で交流する。 もちろん、日本語でも同様に楽しみ、学び、交流する。

妥協することも、ごまかすこともなしに、真正面から取り組んでルーティーンに落とし込む。そうすればすばらしい世界があなたを待っている。

世界に何事があっても、生きている限り、それを奪われることもない!

今年も「塔」をよろしくお願いします。


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これ見てください、オモシロイ!

https://www.youtube.com/watch?v=3H7qK3i1jBM とか https://www.youtube.com/watch?v=3H7qK3i1jBM

見たことがあればごめんなさい。

Be honest with yourself ! ほんとうにそうだと思いますよ。

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2015年新年あけましておめでとうございます。

昨年のできごとで、最も印象に残っているのは、「STAP細胞事件」とでも名づけたくなるような、それをネタにして何層にも展開するミステリーでも生まれそうな、不可解で、人間の強さ・弱さが節目節目で交錯する、大きなドラマ・悲劇でした。

とてつもなく優れた科学者であったらしい、会見では理性の権化のような印象さえ受けた笹井氏も、心理的葛藤で衰弱し、自殺してしまいました。なんともったいない損失でしょう!

あの若きリケジョ・小保方氏もどこかに消えてゆくのでしょうか? 

他方、笹井氏は、英語で優れた論文を書くことでも並ぶものがないほどであったという。いかにしてそんなスキルを磨いたのか? 今や往時のラテン語のような役割を演じている英語の達人としても、科学にはいたって疎い私にとっても、興味津々のお人でした。

落語家の 「柳家・さん喬」さん の話も忘れられません。欧米で落語や小噺を教えている師匠がおっしゃるには ― 小噺には世界共通のもあるんですよ。たとえば『美術館』っていう題で、『これ、ゴッホね』 『いいえ、ユトリロでございます』 『これもユトリロね』 『いいえ、ゴッホでございます』 『これなら分かるは。ピカソでしょ』 『いいえ、奥様、それは鏡でございます』。 これは習っている方たちが公演すると必ず誰かがやって必ず受けるんです。不思議なんですが、やりたがるのはみんな女の子です。どうしてですかね ― 

こんな話を聞くと、認知心理学者スティーブン・ピンカーの「ことばで意思疎通できる人間の能力は、天才科学者の能力などより、はるかにすごい」といった趣旨の発言を思い出す。

ところで、科学も小噺も世間話も体験談も目撃談もすべて人間が意識したことを、言葉(数学も含む)を媒介にして、構築したものだ。

それで、たとえば Robert Lanza氏の biocentrism (http://www.youtube.com/watch?v=zI_F4nOKDSM など)がおもしろくなる。

SFのような感じで楽しめる。

新年早々、なにやらまとまりのないことを書いてしまい、失礼しました。

今年も何分よろしくお願いします。


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